仏教は、大きく分けて上座部仏教(小乗仏教)、大乗仏教、密教に分けることができます。
分かれた経緯は、お釈迦様の教えに関する解釈の違いによるのと、出家者が在家信者への教えを忘れたことによります。

大乗仏教では、悟りを得ることはこの世の全てのもの(無常なもの)は空であること(色即是空)を知る手段に過ぎないぎないとし、空を五感で体得することを最終的な目標とします。空は十二支縁起に説明される煩悩と潜在力(業)を捨て去ることで得られるといいます。
さらには自身の涅槃を追求するにとどまらず、苦の中にある全ての生き物たち(一切衆生)への救済に対する誓いを立てること(=誓願)が主張されますが、特にこの「利他行」の強調が大乗仏教を上座部仏教と区別する指標として重要視されるます。
『般若経』は大乗仏教の根幹をなす教典である。
他者を救済せずに自分だけで彼岸(悟りの世界)へは渡るまいとする菩薩行を中心に据えた仏教です。おおよそ初期・中期・後期に大別され中観派・唯識派・浄土教・禅宗・天台宗などとそれぞれに派生して教えを変遷させていきました。
中央アジアから中国・朝鮮へ、その後日本に伝わったため、近代以前に日本に伝わった仏教は全て大乗仏教です。

上座部仏教の目的は、個人が自ら真理(法)に目覚めて「悟り」を得ることです。
最終的には「自分として執着している自我(アートマン)は実体ではない(無我)」と覚り、苦の束縛から解放されること(=解脱)を求めることです。一般にこの境地を涅槃と呼ぶ。
上座部仏教では、釈迦を仏陀と尊崇し、その教え(法)を理解し、禅定などの実践修行によってさとりを得、煩悩をのぞき、輪廻の苦から解脱して涅槃の境地に入ることを目標とします。

インド本国では4世紀より国教として定められたヒンドゥー教が徐々に勢力を拡張していきます。
その中で部派仏教は6世紀頃にインドからは消滅し、7世紀に入って大乗仏教も徐々にヒンドゥー教に吸収されてゆき、ヒンドゥー教の一派であるタントラ教の教義を取り入れて密教となった。
すなわち密教とは仏教のヒンドゥー化です。
密教の修行は、口に呪文(真言、マントラ)を唱え、手に印契(いんげい)を結び、 心に大日如来を思う三密という独特のスタイルをとった。曼荼羅はその世界観を表わしたものです。
教義・儀礼は秘密で門外漢には伝えない特徴を持ちます。秘密の教えであるので、密教と呼ばれました。
密教に対して従来の仏教は顕教といいます。