真宗 大谷派など東用の御本尊と脇侍について
阿弥陀如来・東立弥陀の仏像や掛け軸の選び方・祀り方

  • 2017.02.02
  • 2020.04.06

真宗 大谷派

浄土真宗の中には色々な宗派がありますが、基本的に祀る御本尊は変わりません。
ただし御本尊は同じだとしても色々な細かいところは同じ浄土真宗をルーツとする各宗派でも変わりますので、しっかり知っておく必要があります。

今回は東派とも呼ばれている「真宗 大谷派」の御本尊と脇侍などについて解説しています。

浄土真宗においては、特に本願寺派と大谷派が多いですが、この2つは似ていて御本尊選びなどには注意点があります。
しっかりと正しい選び方・祀り方、置き方を身に付けておきましょう。

真宗大谷派の御本尊は阿弥陀如来で上の後光は6本

真宗大谷派もその他の浄土真宗と同じで、御本尊は「阿弥陀如来」となり、安置する場所はお仏壇の中の中央の一番上となります。

お仏壇によっては本尊を安置するために、一段高くお祀りできるよう本尊台などが設けられている事もありますので、そこに置くようにしましょう。

御本尊は浄土真宗で同じ阿弥陀如来になりますが、この阿弥陀如来の頭部の後光の本数に注意が必要になります。

というのも、同じ浄土真宗系でも真宗大谷派では頭部の後光の本数が6本となり、本願寺派などでは8本となります。
非常に似てはいるものの、後光の数が異なるため要注意です。

浄土真宗の宗派頭部の後光
真宗 大谷派6本
浄土真宗 本願寺派8本

特に御本尊に仏像を選ぶ際には、あまりこの後光はありません。
注意しなければいけないのが、御本尊を掛け軸で祀る場合です。

阿弥陀如来の後光は48本描かれるのですが、仏像の場合は、そのまま後光が48描かれており、特に問題ありませんし、そもそも仏像の時は、本願寺派などの西と、大谷派などの東では、仏像の光背が大きく異なるのでわかりやすいです。

ただし、掛け軸の場合は、後光が48本描かれていますが、頭部の後光においては大谷派で「6本」、本願寺派で「8本」という決まりになっていますので、注意しましょう。

大谷派の脇侍は十字名号と九字名号

真宗大谷派の脇侍はそれぞれ十字名号と九字名号になります。
十字名号には、「帰命盡十方無碍光如来」と描かれており、九字名号には、「南無不可思議光如来」と描かれています。

それぞれ向かって左が九字名号、向かって右が十字名号となります。
他の宗派の場合、脇侍は人物が多く、左右がどちらか忘れても本尊に向いている向きで判断できましたが、真宗大谷派の場合は名号になるため向きがありませんので、左右の配置には注意しましょう。

もちろん、大谷派も基本はこの祀り方になりますが、地域やお寺によっては、異なる脇侍を祀るという事もあります。
購入前には一度、菩提寺や近くのお寺などで確認しておくようにしましょう。

仏像と掛け軸のどちらを本尊や脇侍に祀るべきか

多くの人が悩みますが、基本的には決まりなどはありません。
掛け軸などであれば最安なら1,000円台あたりから、仏像なら1万円台あたりからとなります。

もちろん高級な掛け軸になれば、1枚で軽く数万円といったものも存在しますが、一般的には仏像の方が高級になるため本格的と考えられている方が多いです。

どちらの方が良い悪いと言うことは特にありませんが、お仏壇の大きさなどが小さくて色々制限があるという特殊な事情がない限りは、多くの方は御本尊には仏像を、脇侍には掛け軸をという方が多いですしオススメしています。

仏像・掛け軸はお仏壇のサイズに合わせて

1つ注意点があるとすれば、先ほども述べたお仏壇の大きさです。
どちらかと言えば、仏像は木で作られ、台座や光背なども作られるため一定の高さが必要になります。

小さめのお仏壇の場合は、阿弥陀如来自体の仏像の高さなら入るものの、台座や光背の高さも入れたら入らないといった場合もあります。
そういった場合は、仏像ではなく御本尊も掛け軸を祀るようにしましょう。

特にマンション用など小型のミニ仏壇の場合は、本尊の高さが低い場合は仏像が入らないという場合もありますので、事前にしっかり高さ計算などをしておくようにしましょう。

御本尊を仏像にするなら掛け軸のサイズと合わせて選ぶ

仏像が仏壇に問題無く入る大きさであれば、あとはサイズ選びとしては仏壇に合わせて選ぶようにしましょう。

お仏壇が小さく仏像が大きすぎる場合はそもそも入りませんが、逆にお仏壇が大きく仏像が小さすぎるとバランスも悪くなります。

また、そもそも御本尊と脇侍を仏像と掛け軸で用意する場合、それぞれの高さの事も考慮しましょう。
御本尊よりも、はるかに高くなる掛け軸などはあまり好ましくありませんので、仏像の高さと同じくらいになるよう調整して選びましょう。

これから全部揃えるという場合は、お店に書かれている案内や店員に相談しながら決めれば問題ありませんが、既にあるものの買い換えなどや追加で何かを購入する時などは、くれぐれもサイズには注意して選ぶようにしましょう。

仏像の記載されているサイズの注意点

これは大谷派に限った事ではありませんが、仏像の世界では大きさは一般的に尺が使われ、御本尊自体のサイズを尺として記載する事がほとんどです。
例として下記のように書かれます。

サイズ大きさ
3.0寸19.0cm
3.5寸23.0cm
4.0寸27.0cm
4.5寸30.0cm
5.0寸33.0cm

1寸=約3cmなので、3.0寸は9cmの大きさになりますが、これはあくまでも御本尊の阿弥陀如来そのものの頭から足元までの大きさになります。
横の19cmというのが台座や光背なども含めた全ての高さになります。

お仏壇に安置する場合は、この寸の高さで考えてはダメで、総高のサイズで考えなければ、買った後に仏像がお仏壇に入らない…といった自体になりかねないので注意しましょう。

販売店などでは、東立弥陀3.5寸といった表記で並べられています。
ですが、3.5寸=約10.5cmというのは、あくまでも御本尊の阿弥陀如来像の高さで、仏像全体の高さではありません。

そのため、特に仏像の買い換えなどの際、今持っている仏像が3.5寸だからといって、次に新しく買うのも3.5寸を買えばいいわけではありません。

あくまでも阿弥陀如来像の高さが3.5寸なだけで、仏像自体の高さは台座や光背の高さで変わるので、仏壇の本尊棚の高さと、仏像の総高とを比較して選ぶようにしましょう。

実際に台座や光背は仏像の種類によっても大きく変わります。
同じ3.0寸や3.5寸でも、仏像が変われば基本的にサイズは同じじゃないと思って置いた方がいいくらいです。

掛け軸の注意点

これも基本的には全宗派で共通ですが、掛け軸も少し注意があります。
というのも、掛け軸にはそのまま置けるタイプの掛け軸と、スタンドや留め具などが必要な掛け軸の2種類があります。

そのまま置けるタイプのスタンド型や自立型の掛け軸であれば、買ってそのまま置けば完了ですから問題ありません。

ですが、スタンドや留め具を用意しなければいけない掛け軸の場合、高さはその分だけ変わってしまいます。

特に掛け軸用のスタンドを別途用意して祀る場合、掛け軸スタンドに吊すように使うため、実際の掛け軸の高さよりも少し高くなります。

御本尊と掛け軸を同じサイズで選んだにも関わらず、掛け軸用のスタンドを使うと御本尊の仏像より高くなりすぎてしまったり、そもそもギリギリサイズで選んだら入らないといった事にもなりかねません。

掛け軸選びも、そのまま安置できるタイプなのか、スタンドを用意して吊したりするタイプなのかなど、どのタイプの掛け軸なのか高さなども考慮して選ぶようにしましょう。

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  • 公開日:2017.02.02
  • 更新日:2020.04.06

カテゴリ:真宗 大谷派

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