創価学会や日蓮正宗のお仏壇について
他の宗派のお仏壇との違いや特徴と選び方について

カテゴリ:【 仏壇 , 宗派の解説

日本でお仏壇についてご紹介する際、教科書でも取り上げられ、多く信仰されている宗派として七大宗派、八大宗派があります。

しかしながら、全てその宗派だけかというとそうではありません。
日本においては、大小問わず、色々な宗派があり、中でも有名なものの一つに創価学会があります。

今回は、創価学会向けのお仏壇には、一般的なお仏壇と比べてどのような違いがあるのか、その特徴や選び方などについてご紹介していきたいと思います。

創価学会についてをおさらい

創価学会用のお仏壇について説明する前に、そもそも創価学会とはどのような学会なのか、概要をお伝えしようと思います。

創価学会は、日蓮宗系の流れを汲む宗教法人です。
他の宗派との大きな違いは、日蓮上人の教えをベースにした、人間教育を目的とした組織であるという点です。

今の日蓮宗とは袂をわかち、関係性はありません。
むしろ、どちらかといえばモトは同じ流れですが対立構造のようになっています。

活動の柱として「信・行・学」を立てており、読経により自らを見つめ直し、教義を学んで仏法を広めることを目的とします。

日本人の多くは一般的には無宗教であり、特別何らかの教義に沿って生きている人は少ない印象を受けます。
しかし、家族の誰かが亡くなったとき、多くのご家庭ではお仏壇を購入・供養という流れとなることから、仏教が日本人の宗教観念に大きな影響を及ぼしていることは否定できません。

そのため、お仏壇の購入時期として「家族の誰かが亡くなったら」というイメージを持っている日本人は、かなりの数にのぼると思われます。

しかし、本来はご先祖様も含めての供養を考えるのが正当な考え方であり、必ずしも新仏が出たタイミングでお仏壇を用意する必要はありません。
創価学会も、どちらかと言えば個人の信仰心を優先するため、学会への入会を決めた段階でお仏壇を購入するケースは少なくありません。

創価学会向けのお仏壇を販売している専門店も存在することから、日蓮宗系も含めた多宗派と比べると、独自性が強いのが特徴の一つです。

創価学会のお仏壇と一般的なお仏壇との違い

具体的には、創価学会のお仏壇は、一般的なお仏壇と比べて、どのような違いがあるのでしょうか。
以下に詳細をご紹介していきます。

お仏壇の中に厨子(ずし)がある

創価学会が日蓮宗系の流れを汲む宗教団体であることは先に述べましたが、創価学会はその中でも「日蓮正宗」を基盤として教義等が構成されていることから、お仏壇も日蓮正宗で用いるものとほぼ同様のデザインです。

中でも特徴的なのは、お仏壇の中に、さらに扉があることです。
これを厨子(ずし)と言います。
この中に、創価学会のご本尊となる曼荼羅を安置することになります。

厨子を開けるとすぐ、ご本尊が見えるようになっており、勤行(ごんぎょう)などの際に扉を開けて読経します。
開け閉めをする回数が比較的頻繁にあることから、100万円以上のお値段になる高級品であれば、厨子がリモコン操作で開けられる造りとなっているものもあります。

デザインはほぼ一律だが、素材・大きさはさまざま

一般的なお仏壇の場合、その質は素材やデザイン・大きさに反映されている例が多いものです。
唐木仏壇・金仏壇などの本格的な造りのものは、どのお仏壇店に足を運んでも、それなりの大きさ・お値段になります。

家具調仏壇などの比較的歴史が新しいお仏壇については、その分お値段も控えめです。

それでは創価学会のお仏壇はどうかというと、デザイン自体が統一されていることから、単純にデザインの違いだけで価値を判断するのは難しい傾向があります。
厨子のリモコン操作可・不可の違いのような分かりやすいものもあれば、ほぼ同じような造りのもので全くお値段が異なるケースもあります。

インターネット上でチェックする際に、差として分かりやすいのは、やはり素材です。
上級のお仏壇であれば、黒檀・紫檀や本金箔を使ったものがほとんどで、重厚な龍の彫刻などが施されているものもあります。

中には、お仏壇全てが総金箔を施されているものもあり、その存在感は圧巻です。
反面、家具調仏壇のような一般的な家具と変わらない素材が用いられているものも少なくなく、チーク材を用いたお仏壇なども見られます。

一般的なお仏壇であまり見かけないのはニヤト―材で、東南アジア原産の木材です。
日本で似たような質を持つ木材としては、マカンバやサクラなどが該当し、それらの代用品として用いられます。

家具や建具はもちろん、内装材・建築材・キャビネット、果ては楽器材にまで、幅広い用途で利用されています。
多宗派のお仏壇と比べると、ニーズが多少異なることから、材料の選定については柔軟であることがうかがえます。

中にはとんでもなくコンパクトなお仏壇もある

創価学会でも先祖供養の習慣はありますが、多宗派と異なり、位牌を安置する必要はありません。
基本的には、ご本尊に対する勤行の後、お題目を唱える流れになります。

そのため、そもそもデザイン自体がご本尊の安置のみにフォーカスしているお仏壇も存在します。

素材としてプラスチックを用いたものであれば、お値段として5,000円を切るものもあり、安価に手に入れることができます。
色も様々で、一見すると単なる写真立てにしか見えないものも少なくありません。

厨子もなく、扉を開け閉めするだけの簡素な造りです。
上記のような傾向が見られることから、創価学会の場合、学会員のニーズによって必要なお仏壇の種類が異なることが分かります。

創価学会のお仏壇の規格は、全て同じでなければならないのか

創価学会のお仏壇は、先に挙げた通り明確な特徴があります。
そのため、過去に別の宗派のお仏壇を持っていて新たに創価学会に入会した場合、新しいお仏壇に買い替える必要があるのかどうかを考える必要があります。

実際のところ、創価学会に入会したら、他のデザインのお仏壇は処分しなければならないのでしょうか。
結論から言えば、原則としてお仏壇・位牌は処分の対象となるようですが、往々にして例外もあるようです。

以下に、主だった特徴に触れてご紹介していきます。

基本的には、多宗派も含めてお仏壇には「これにしなさい」という決まりはない

意外に思われるかもしれませんが、お仏壇の種類については、特段各宗派で厳密に違いを設けているわけではありません。

浄土真宗であれば金仏壇は有名ですが、だからといって100%金仏壇を選ばなければならないかというと、そういうわけではありません。
浄土真宗でも家具調仏壇や唐木仏壇を選んでもなんら問題はありません。

あくまでも自分自身の信仰を具体化したものの一つに過ぎず、このお仏壇の種類でなければ阿弥陀仏のご加護を受けられないといった性質のものではありません。

キリストや親鸞などの宗教家は、時の権力者に忌み嫌われる傾向があり、日蓮もまた時代に翻弄されながら自らの宗教観を鍛え上げた一人でした。
その精神は、創価学会にも受け継がれています。

教義に則って行動することがまずは重要なことであり、専用のお仏壇があっても無くても、それはあまり信仰上重要なことではないという立場です。

どんな宗教にも言えることですが、信仰心さえあれば、拠り所は何でも良いという考え方は一定数存在しています。
かつて、創価学会が世界中で認知されるまでは、学会員はご本尊をみかん箱などにお祀りして勤行していたこともあったと言われています。

やがて、強烈な熱意を持って学会員が布教活動にあたったことで、現在の地位が得られたのです。
よって、お仏壇の種類については、原則としてどの宗派でもこだわりは必要ないと言えます。

ただし、創価学会には地域や支部毎で非常に強い繋がりがあります。
そのため、多くはそういった地域の繋がりなどを考慮して選ぶのが多いと言われています。

教義にそぐわないものは使わない

とはいえ、やはり創価学会は独特の宗教観を持っており、位牌などを使うことはありません。
創価学会における位牌の位置づけは、あくまでも「故人の名札」という意味合いで、中国の儒教の風習を仏教が取り入れただけで、個人の成仏とは直接関係ないものとしています。

よって、学会員になった場合は、お焚き上げなどの方法で処分することが望ましいとされています。

先にご紹介した通り、お仏壇についても、ご本尊をお迎えすることに特化したデザインのものが作られています。
実は、なぜこのようなお仏壇が生まれたのかにも、きちんとした理由があるようです。

創価学会が世界的に広まる以前、学会員の多くは創価学会としてのお仏壇というものを持っていませんでした。
しかし、ご本尊が本物である以上、他宗派が使うお仏壇を仮とするのは申し訳ないという考えを持つ学会員も少なからず存在していました。

こうして、創価学会専用のお仏壇作成が始まり、現代では専門店も存在しているほどに広まったのです。

活動に熱心な学会員であればあるほど、創価学会専用のお仏壇を使用することが重要と考える傾向があります。
そのため、入会して間もない学会員は、専用仏壇を用いることを勧められるケースが多いようです。

創価学会では、中古のお仏壇の購入や譲渡が認められている

古くからあるお仏壇や位牌を処分する際には、御霊抜きなどの法要が必要となり、お布施もそれなりの金額がかかります。
ご先祖様の御霊をお祀りするという性格上、一般的にはお仏壇を他家に譲渡するのは大きなタブーとされてきたことの一つであり、親族間でも行われることはまずありません。

御仏のみならずご先祖様を供養する目的で存在するものですから、中古のお仏壇にはニーズそのものが無いと言っても過言ではありません。

しかし、これが創価学会になると、話が大きく変わってきます。
実は、創価学会に入会後、新たに創価学会専用のお仏壇を手に入れたいという場合は、方法がいくつか存在するのです。

まずは、専門店でお仏壇を新品で購入する方法で、もっとも一般的な方法になります。
ここから、よりクラスの高いお仏壇への買い替えができるように精進することが、学会員が努力する方向性の一つとなっています。

買い替えが奨励されているということは、当然中古品が出回ることになります。
創価学会にはご本尊はあっても、位牌のような魂入れをしたものを取り扱わないため、専用のお仏壇であれば専門業者に売り渡すことが可能なのです。

もちろん、どのようなお仏壇でも良いというわけではなく、傷や塗装のはがれなどが無く、自動扉(厨子)の機能があれば損なわれていないものが対象となります。

また、親しい間柄であれば、学会員によるお仏壇の譲渡がなされる例もあるようです。
例えば、自分自身がより良いお仏壇を購入しようと考えていた際に、折しも知人・友人が新しく入会したような場合です。

自分自身のお仏壇を買い替えるのと同時に、新入会者にお仏壇を譲渡するという流れです。
創価学会は、戦後になってから発展してきた宗教法人であることから、お仏壇の取り扱いに関しては、厳密ながらも柔軟な性格を持っています。

その信仰の根底にあるのはあくまでも「ご本尊」であり、お仏壇ではないということを、明確に学会員が理解していることの現れと言えるでしょう。

創価学会独特の仏具等はあるのか

創価学会のお仏壇を購入する場合、気になるのはその他の仏具です。
各宗派ごとに細かな違いがあるのと同様、やはり創価学会で使用するものにも、独特の習慣が見られます。

以下に、主だったものをご紹介していきます。

おしきみ

学会員はもちろん、創価学会についての知識がある方であれば、どのようなものか容易に想像できると思います。

しかし、一般的にはあまり知られることのないものです。
そもそも、仏具なのか何なのかさえ、想像できないという方も多いと思います。

おしきみとは、しきみという植物を丁寧に表現した言葉であり、漢字で書くと「樒」となります。
一般的なお仏壇であっても、お花を供えることは日常的ですから、その習慣と同様のものと考えて差し支えありません。

神棚で言うところの「榊(さかき)」に該当する植物で、天然のものを販売しているところもあれば、造花の商品も存在しています。

日本仏教において最初に使い始めたのは、真言宗の開祖空海であったという説があります。
抹香の原材料でもあり、実だけではなく葉や茎全体に毒を持っています。

一見、毒を持つ植物を御供えするのは問題があるのではないかと考えがちですが、これにはある風習が関係しています。

かつて日本で火葬の習慣が無かったころは、遺体をそのまま土に埋める「土葬」が主流でした。
現代では珍しくなりましたが、ペットなどを埋葬する際に、田舎では土葬をすることもありました。

このような土葬の習慣において問題となっていたのが、獣が食料を求めてお墓を掘り起こすことでした。
墓荒らしを放っておくと、罰当たりというだけでなく、衛生面で好ましくない状況が生まれ、病原菌が蔓延する一因にもなります。

そこで、動物による獣害を防ぐために、毒を持つ植物をお墓に御供えし、やがてそれが埋葬の習慣・ひいては邪気を払うものとして定着したものが「おしきみ」です。

一般的な仏具店で取り揃えているところもありますが、やはりその多くは創価学会専門のお仏壇店での取り扱いが多いようです。

徳利(とっくり)

ご本尊様をお祀りする厨子の両脇に置く仏具です。
創価学会独特のシンボルマークとして、八葉・鶴丸などが、フタの部分にデザインとして施されています。

ゴールドのものが基本ですが、現代においてはクリスタル製のものも販売されています。
ちなみに、徳利という名前ではありますが、お酒を入れることはありません。

三色旗

国旗のようなデザインをした旗で、その名の通り三色が旗に描かれており、創価学会のシンボルの一つでもあります。
旗が風によって右側にたなびいたとき、左に青・中央に黄・右に赤が見えます。

それぞれ平和・栄光・勝利を表した色であり、創価学会が関連している企業や組織では、三色旗を掲揚しているケースも少なくありません。

この三色旗ですが、お仏壇に飾ることができるミニチュア版が存在しており、吸盤でお仏壇の周りに取り付けたり、お仏壇の上に飾ったりするケースが見られます。
他の宗派ではまずお目にかかれないものであり、創価学会の特色を示しているものと言えるでしょう。

おわりに

創価学会には独特の習慣があり、専用のデザインとなるお仏壇・仏具が流布しています。
多宗派と比べてもその違いは大きく、中でもお仏壇の買い替え・譲渡に関する考え方は、日本国内の大多数の宗派においてはなかなか考えられないものです。

しかし、宗教観としては非常に柔軟性のある考え方であり、合理的な一面もあります。
もし、新たに創価学会に入会された方は、お仏壇店に足を運ぶ前に、まずは同じ学会員に相談してみると、良い案が見つかるかもしれませんよ。


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