天災は忘れた頃にくるからこそ今のうちに!
仏壇仏具が倒れたり壊れないように地震対策をしっかりと。

カテゴリ:【 仏具 , 仏壇

日本は地震大国であり、残念ながら毎年のようにどこかの都道府県で地震が起こっています。
2011年の東北、2016年の熊本、そして2018年には大阪と北海道でも大きな地震が起こり、北海道では電力もストップしたのは記憶に新しいところです。

強い地震が起こった場合、家庭において何よりも大切なのが家具が倒れないようにしたり、火災が起きないようにしたりする備えです。
お仏壇も大きなものであればタンス以上の大きさになることから、しっかり対策を講じて安定させた方が、事故が起こる確率は低くなります。

今回は、そんな仏壇仏具の地震対策について効果的な方法をいくつかご紹介します。

まずは、どうやって仏壇の倒壊を防ぐかを考える

地震に見舞われることで恐ろしいのは、お仏壇や家具など、地震によって目の前にその巨体が倒れてくることで甚大な被害が想定されるケースです。

一般的な上置型仏壇のサイズである「20号」程度のサイズの場合、重さは素材によって変わりますが、概ね20kg~30kg以上になることもあるため、その辺の家具と比較しても遥かに重いものになります。

それが何の躊躇もなくあなたの前に倒れてきたら、怪我をすることは避けられません。
災害時に怪我をすると、病院も一時的に機能が制限されるおそれがありますから、結果的に治療・回復が遅れてしまう可能性もあります。

そのため、お仏壇が倒れるこというとは、最優先で取り組むべき地震対策の1つと言えるでしょう。

新しく購入するのと、既にあるのとで対策手段は異なる

まず、お仏壇に対して地震対策を講じる場合は、お仏壇そのものを新しく購入するのか、それとも既にご家庭に安置されているお仏壇に対して対策を施すのかによって、取るべき方法が変わってきます。

また、小さめのお仏壇をお持ちの方であれば、お仏壇を載せている家具に対しても、何らかの対策を施す必要がありますから、ある意味ではお仏壇だけでなく家具に対する対策とも言えるかもしれません。

それぞれの種類に応じて、対策のタイミングや方法が変わってくることは、最初におさえておきましょう。

新しく購入する場合は、既に耐震設計が考えられているものを選ぶ

新しくお仏壇を購入する場合は、お仏壇自体が耐震構造となっているものを選ぶとよいでしょう。
特に、大きめのサイズを購入するなら、上台と下台とが離れ離れにならないような対策がなされているものを選ぶべきです。

具体的には「耐震用ダボ」と呼ばれる工具が備わっているものを選ぶとよいでしょう。
ダボという言葉はあまり聞き慣れないと思いますが、もともとは木工・石工で用いられる道具・材料であり、木材や石材同士をつなぎ合わせるために用いられます。

部材同士がずれ、不具合が生じるのを防ぐために、接合面の両方に穴を開けて差し込む形をとります。

大手家具店・ホームセンターで購入した家具などは、組み立てを買った人自身で行うケースが増えてきていますが、その際にもパーツの一つとして用意されていることが多いものです。

耐震用ダボとは、そういったダボの地震対策仕様のものと考えておけばよいでしょう。
お仏壇に使われているもので言えば、細長い板の形状をしており、差し込むことによって揺れによるズレ・転倒を防ぐねらいがあります。

具体的には、上台を下台に置く際、下台のくぼみに板を縦におさめるような形をとって、上台と下台とを接合するものになります。

こうすることで、上下をしっかり固定し、ちょっとやそっとでは倒れないようになります。
置く場所を決める前であれば、下台の下に敷くための耐震用マットを置くなどすることで、より安心してお仏壇を安置できます。

とはいえ、古い仏壇ではなく今から買うという場合は実際には多くがこの対策が取られているものが多いはずです。

今あるお仏壇の対策には、ストッパーやマットを活用する

現段階で既にお仏壇をお持ちのご家庭においては、後付けできるストッパーや耐震マットを活用するとスムーズです。
種類がいくつかあるため、ここでは各種類ごとに分けてご紹介します。

耐震用ストッパー(突っ張り棒型)

まず、耐震用ストッパーですが、こちらは種類が多いため、ご自宅にあるお仏壇の大きさに応じて選ぶ必要があります。
お部屋の天井に届くような大きさであれば、突っ張り棒型のストッパーが有効でしょう。

お仏壇の上部(帽子)の部分と天井とを突っ張り棒で支え、地震によって動き出すのを防ぐタイプのストッパーです。
天井とお仏壇との空きスペースが少なければ少ないほど、安定した効果が望めます。

このタイプのストッパーは、うまく取り付ければ効果を発揮しますが、耐久性の低い部位に設置するよう取り付けてしまうと、かえって天井を突き破ってしまったり、帽子が壊れてしまったりするおそれがあります。
最悪の場合、お仏壇が壊れるというだけでなく、天井が落下してしまう可能性もありますから、設置する際の場所に十分な強度があるか、軽く叩いて確かめながら設置しましょう。

また、設置位置については手前側ではなく、壁側に設置することで強度を保ちます。
逆側は控えるようにしましょう。

万一、天井のレイアウトなどの都合により、器具の長さが足りなくなってしまった場合は、板材・段ボールなどを追加することで長さを補う必要があります。

耐震用ストッパー(粘着テープ型)

お仏壇・壁の接着面がL字型になっているストッパーで、プラスチック製のものが多いようです。
同じような形でビス・ネジを使ったものもありますが、賃貸マンションの場合だと取り付けが難しいこともあって、粘着テープが用いられています。

また、設置面それぞれにはスポンジがあり、揺れによる影響を緩和してくれます。
こちらも原則としてはお仏壇の帽子部分に取り付け、壁と挟み込むように取り付ける形になりますが、角度によって難しいようであれば側面から取り付ける方法も考えられます。

お仏壇の大きさや壁の位置に応じて、柔軟に対応できるのがメリットの一つです。

上下台設置面型ストッパー

上下台、もしくは上置型仏壇が家具から離れないようにするためのストッパーになります。
下台の上にゴム板を乗せ、それを専用の器具やビスで止めたあと、上下台を強力な粘着テープで止めるというストッパーです。

使用する粘着テープはかなりの強さになりますから、一度設置したら分解が難しいという難点こそありますが、家具との調和を考えつつ防災対策ができるため、使い勝手は比較的良い方法になるでしょう。

押さえ金具がセットになっている商品もあるため、強度に不安のある方は検討してみる価値はあります。

転倒防止仏壇ストップベルト

どちらかというと、お仏壇本体に直接傷をつけたくない方向けの製品です。
こちらの器具は、床とお仏壇とをベルトで固定するというアプローチでお仏壇の揺れを防ぐ形状になっています。

ただ、ベルトと言っても人間のように腰回りに巻き付けて固定するのではなく、根元(床)部分から天井部分を引っ張る形で固定する構造になっています。

主な取り付け方法は以下の通りです。

  1. 仏壇を置く位置の床に押さえ金具を、タッピングと呼ばれる付属器具によって固定する
  2. 仏壇の帽子部分に設置する「仏壇用フック」の下に粘着耐震ゴムをはさみ込み、帽子の角に引っ掛ける
  3. 床の押さえ金具を押さえながら、ベルトを設置したとき仏壇側面に位置するバックルのベルト端を、しっかり引っ張って固定する

こうすることで、床にお仏壇がベルトで引っ張られる格好となり、地震の際に崩れにくくなるというからくりです。

耐震マット(フリーカット型)

耐震マットの中で、自分の好きな大きさにカットして用いるタイプのマットになります。
大きさを自由に決められるため、お仏壇の大きさに応じてカットすることが可能です。

ただ、あまりにも大きいサイズのお仏壇であれば、既に安置されているものを動かすのに苦労すると思いますので、できれば設置前に用意しておくのが望ましいでしょう。

床面いっぱいに貼り付けるだけでなく、お仏壇の下部四隅に貼り付けることで、強度を持たせる使い方をすれば、他の家具にも余った分を使えるのでお得です。

また、大きさを活かして下部同様の面積分を確保する方法もあります。
ただし、その場合はきちんと長さを計っておかないと、結果的にアンバランスになり逆効果になるおそれもありますから、注意が必要です。

耐震マット(小型カット型)

フリーマット型とは違い、既に小型の四角形にカットされているマットになります。
汎用性が高いため、既に家具自体に何らかの対策をほどこしており、お仏壇だけをケアしたい場合には、使い勝手のよいマットです。

多くの商品は洗えば使い回せる仕様になっているため、配置換えを考える場合でも安心ですし、フリーカットと違いマットが余る心配もありません。
用途がはっきりしている方は、こちらを選んでみるのもよいでしょう。

仏壇の対策はできても、仏具を対策するのは難しい

お仏壇に続いては、仏具に関する対策になります。
こちらは正直お仏壇に比べると、震災による破損や紛失対策というのは難しくなってきます。

仏具一つひとつを固定するというのは、毎日のお手入れをしたりお仏壇の模様替えをしたりする際に、あまり現実的な選択肢とは言えません。
お供えをする際に邪魔になる可能性もありますから、やはり臨機応変に片づけられるよう、耐震マットなどを厨子部分などに設置するのは控えるべきでしょう。

しかし、まったく対策を講じられないというわけではなく、震災による二次災害を減らすために取れる方法はいくつかあります。
以下に、具体的な対策についてご紹介します。

破損しにくい素材でできている仏具を選ぶ

仏具はお仏壇に比べると、素材については比較的自由度の高いものが多いため、震災を想定した場合は可能な限り落下で破損しにくい素材のものを選ぶと、破片につまづいたり破片を踏んで足の裏を怪我したりするのを防げます。

具体的には、強度のある真鍮製や、軽くて使い勝手の良い木製・漆器製のものを選ぶとよいでしょう。
陶器などは比較的安く手に入れられる反面、高いところから落とした場合、かなりの確率で割れてしまうため、取り扱いには十分注意が必要です。

また、透明なガラスなどは、万一破損した際に暗闇では破片の位置が目視でほとんど分からないため、防災を想定するのであればお仏壇上部に置くのは避けた方が賢明です。

普段から使用する仏具を厳選する

何らかの仏事があるとき以外は、お仏壇の中を整理しておくというのも、仏具の破損による被害を減らすことにつながります。

御本尊や位牌については当然配置しておく必要になってきますが、具足や仏膳椀・過去帳などは、仏具自体の造りによってはコンパクト化できるケースも珍しくなく、眠る前になったら一つにまとめておくという方法も取れます。

宗派やお寺の決まりごとなどがある場合を除いては、できるだけコンパクト化を図るのが望ましいでしょう。
年中提灯などを出しているご家庭であっても、必要な場面は限られてくるものと思いますので、使わないのであれば物置にしまっておくなどの工夫は必要です。

火の出ない仏具を使う

現代において、線香やろうそくの灯火については、火を使わないという新しい選択肢が広まっています。
LEDによる灯火が生まれたことにより、火が燃え移る心配をせずとも、お仏壇に光を与えることが可能になったのです。

耐震設計や防火性が高い家がある一方で、現代でも木造住宅は少なくなく、一度火が燃え広がると隣近所に迷惑をかけてしまうケースは十分にあります。
二次災害を防ぐ意味でも、火の始末についてはしっかり考えておきましょう。

仏壇仏具を選ぶ際、耐震について何をチェックすべきか

ここまで、お仏壇・仏具に関する地震対策についてご紹介してきました。
それでは、新たにお仏壇・仏具を購入する際には、どのようなことをチェックする必要があるのでしょうか。
以下に詳細をご紹介します。

ネット通販の場合は「耐震仕様」と紹介されているものを選ぶ

実物を見られないネット通販でお仏壇を購入する場合は、商品情報が書かれている欄に「耐震仕様」であることが記載されているものを選びましょう。
先に挙げた「耐震用ダボ」が装備されているものや、台輪部分が引き出せるような構造になっているものを選ぶと、お仏壇前部が安定し、前のめりにならなくなります。

実際に購入する場合は、写真などで耐震がどのように行われているのかをチェックし、自宅に置く際の場所をイメージして安心できるかどうかを十分確かめてから購入しましょう。
台輪を前に出せても、土台に十分な長さがなければ意味がありませんから、寸法は事前に調べておいた方が賢明です。

ただし、今となっては一般的なお仏壇では標準仕様になっているところもあります。
耐震仕様でもごくごく当たり前と考えて書いていないところも多いので、不安な場合は一度問い合わせてみましょう。

店舗で購入する場合は、実際に裏面を見ることもできる

お店で展示されている多くのお仏壇はそのまま商品になりますから、しっかりしているところは耐震対策も考慮したラインナップを用意しています。

ただ、お店自体ではベルトやマットの設置などは行っていないところが多いので、具体的な設置方法を確認するまでには至らないのが現状です。

残念ながら、全てのお店で耐震設計のものが用意されているとは限らず、対策もモデルによって異なりますから100%チェックできるわけではありませんが、実際にモノを見て判断できるという点ではメリットがあるかもしれません。

例えば、金仏壇の上置き型は下部に何もストッパーになるものが付いていないモデルが多いため、何らかの対策を講じなければならないことが分かります。
こうして、下部にまで目を行き届かせられるのは、店舗ならではの利点と言えるでしょう。

スタッフに話を聞いてみると、対策をどこまで講じるべきかの目安が分かる

そのほか、店舗に足を運ぶメリットとして考えられるのは、耐震対策がとられているモデルを探すというよりは、「耐震対策がなされていないもので壊れたお仏壇の事例」についてスタッフに尋ねるというものがあります。

冒頭でお伝えした北海道胆振東部地震では、お店に展示されているものは一つも壊れなかったという話が聞かれます。
その反面、お客さんの中でもマンションの高層階にお住まいの方から、揺れが非常に大きくお仏壇が倒れてしまったという声がいくつかあがったそうです。

このことから、一軒家に安置する場合は最低限の対策で大丈夫だとしても、マンション高層階に設置する場合はお仏壇だけでなく仏具にも気を遣う必要があると言えるでしょう。
「住んでいる場所によって対策が異なる」という点に気を付けておく必要があります。

おわりに

日本で暮らす場合、全国的に地震対策を必要とする地域が圧倒的多数です。
過去に地震に見舞われなかった地域であっても、今後も地震が起こらないという保証はどこにもありません。

お仏壇自体も大切なものではありますが、何よりも大事なのは今生きている子孫たちです。
それは、ご先祖様もそのように思っているはずです。

できる限り最初の段階で震災の被害を食い止め、他の方たちに迷惑をかけないためにも、できることはしっかりやっておきましょう。


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