位牌のサイズの選び方を徹底解説
先祖代々の位牌の高さと札丈や総高さにも注意

いざ位牌が必要となった時に多くの人は、選び方がわからないとよく言います。
ですが、実際には位牌にはどの宗派ならどの位牌をといった基準は特にありませんので、自由に選べるのです。
また、浄土真宗系では位牌を使いませんが、今は時代の流れなどもあり浄土真宗系の方も多く位牌を購入されているのが実情です。
そんな位牌の選び方について悩んでいる方に、一言で言えばサイズを慎重に選び、デザインは自由に、故人に最適だと思える位牌を選ぶように。と言えます。
今回は、そんな位牌の正しい選び方についてじっくりと見て行きましょう。
位牌の「寸」とは?1寸はおよそ3.03cm
お位牌のサイズは、お店でもカタログでも3.5寸や4.0寸といった書き方で並んでいます。まずここで手が止まってしまうという方は、とても多いです。
寸というのは昔ながらの尺貫法の単位で、1寸はおよそ3.03cmになります。
1尺をメートルの33分の10と定めたのが明治24年の度量衡法で、その10分の1が1寸ですから、計算すると3.0303cmという数字が出てくるのです。
ただ、日本の取引で使う単位そのものは1966年にメートル法へ完全に切り替わりました。それでも仏壇仏具の世界には昔からの呼び方がそのまま残っていて、位牌も今なお寸で作られ続けています。
もう1つ、先に押さえておきたいことがあります。
戒名を記す札板そのものの高さを札丈と呼び、位牌の何寸というサイズはこの札丈を指しています。
台座まで含めた全体の高さではありませんので、そこは分けて読み進めていきましょう。
寸とcmの早見表
位牌は0.5寸きざみで作られていますので、実際に選ぶのはその中からということになります。
左が位牌のサイズ表記、右がそれをcmに直した札板の高さです。
| 2.5寸 | 約7.6cm |
|---|---|
| 3.0寸 | 約9.1cm |
| 3.5寸 | 約10.6cm |
| 4.0寸 | 約12.1cm |
| 4.5寸 | 約13.6cm |
| 5.0寸 | 約15.2cm |
| 5.5寸 | 約16.7cm |
| 6.0寸 | 約18.2cm |
いずれも1寸を3.0303cmとして掛けた数字になります。
お店によっては3.5寸を10.5cmと切りのよい形で案内しているところもありますが、正確には約10.6cmです。
ここに並べたのは札板だけの高さですから、台座を含めた位牌全体はこれよりも高くなります。
その差がどのくらいになるのかは、このあとの見出しで詳しく解説します。
大人のお位牌の一般的な大きさは3.5寸〜4.5寸
どのくらいの大きさが多いのか、というのは多くの方が最初に気にされるところかもしれません。
白木のお位牌に代えて長くお祀りしていく本位牌でしたら、大人の方で3.5寸から4.5寸のあたりから選ばれることが多くなります。
大きな台付きのお仏壇では、5.0寸まで上がることもあります。
なぜこのあたりに集まるのかというと、ご家庭のお仏壇に無理なく収まって、それでいて戒名や俗名の文字が窮屈にならない大きさが、ちょうどこのくらいだからです。
また、お子さんのお位牌や水子のお位牌については、これよりも小さめを選ばれる方が多くなります。
とはいえ、何寸でなければならないという決まりがあるわけではありません。
ご家族が手を合わせたときに落ち着いて見えるかどうか、そこがいちばんの目安になります。
位牌の選び方で最も大切なのはデザインではなく高さ
位牌をどう安置するかという事にもよりますが、安置する場所のバランスが大きく崩れるような高さの位牌は避けるようにしなければなりません。
また、お仏壇の中に安置する方が多いですが、この時お仏壇を既にお持ちの場合は、当たり前の話ですがしっかりと中に収納できるサイズを選ぶ必要があります。
これからお仏壇も合わせて購入するという方であれば、その購入するお仏壇に最適な位牌のサイズが書かれてあったりスタッフさんから教えられると思いますので、それに合わせて選びましょう。
お仏壇のサイズにしっかりと合わせる
既にお仏壇をお持ちの場合は、しっかりとお仏壇の安置する場所(多くの場合はご本尊の下の段が一般的となります)の縦と横と奥行きの寸法をしっかりと測っておきましょう。
位牌は戒名などの名入れを行うものになりますので、買った後サイズが違ったからといって返品などは受け付けてもらえない事が多いので、しっかりと間違い無いよう注意が必要です。
だいたいの目安としては下記の通りです。
| 上置き仏壇の~20号 | 3.0寸~ |
|---|---|
| 上置き仏壇の20号~23号 | 3.5寸~ |
| 上置き仏壇の23号~ | 4.0寸~ |
| 台付き仏壇の~45号 | 4.0寸~ |
| 台付き仏壇の45号~ | 4.5寸~ |
ここで出てくる号という単位にも触れておきましょう。
お仏壇の号は高さを表したもので、1号はおよそ3cmになります。
台付きのお仏壇では「45-18号」のように高さと横幅の2つの数字で書かれているお店も多く、この表の号数は高さのほうを指しています。
ご自宅のお仏壇が何号にあたるのか分からないというときは、下記の記事でサイズの見方を確かめてみましょう。
- お仏壇のサイズについて。サイズの種類や表記と選び方と正しい見方
- お仏壇を置く場所を決める際に、最も重要になってくるのが、置く場所にしっかりおさまるかどうかです。 これには、お仏壇のサイズがそもそも置く場所 …
ただ、号数はお仏壇の外側のサイズになります。
お位牌が入るかどうかを最後に決めるのは、扉を開けた内側にどれだけの高さが残っているかのほうです。
先ほどの目安をお仏壇のタイプごとに分けると、お店でよく選ばれているのは上置き仏壇なら4.0寸から4.5寸、台付き仏壇なら4.5寸から5.0寸といったところでしょうか。
上の表は下限を示したものですから、その少し上あたりに実際の売れ筋があると考えると分かりやすいかもしれません。
あくまでも目安になります。
というのも、位牌のサイズの表記方法は一般的に「札丈」のサイズで表記されるからです。
そのため位牌によっては台の装飾が非常に華やかな場合、台の高さ分だけ高くなりますが、位牌のサイズ表記は札板の高さで記載されるため注意が必要です。
これは同じサイズであっても、位牌の総高は全く違うという事を意味します。
そのため、同じ3.0寸や4.0寸の位牌であっても、実際の総高では5cm以上も差があるものなども場合によっては十分にあり得るのです。
Aという位牌の3.5寸が総高で20cmだったからといって、Bという位牌の3.5寸の総高が20cmとは限りません。
場合によっては、Aという位牌の4.0寸よりも、Bという位牌の3.5寸の方が総丈では高いという事も十分あり得ます。
位牌の表記は一般的には札丈のサイズで記載されますが、購入する際には総高でしっかり考えなければならないので注意しましょう。
では、その総高はだいたいどのくらいになるのか。
台座まで含めた位牌全体の高さが総高で、多くは札丈の1.5倍から1.7倍ほどになります。
たとえば4.0寸であれば札丈は約12.1cmですから、総高は19cmから20cmあたりがいちばん多いところです。
ただし飾りの少ないモダンなお位牌には15cm台のものもありますし、高欄という手すりのような飾りの付いた型では24cm近くになることもあります。
同じ4.0寸でこれだけ幅が出るのは、台座の彫りや飾りが多い型ほど背が高くなるためです。型が変われば見た目の印象も高さも変わってきますので、気になった商品の総高を1つずつ確かめていきましょう。
どんな型があって総高がどのくらい変わるのかは、こちらの記事でまとめました。
- 位牌のデザインの種類と選び方&春日型や勝美型や千倉型など型の解説
- 位牌を選ぶ際に多くの人が悩むのがデザインの選び方です。 とはいえ、実際には過去にも解説してきたように、塗位牌でも唐木位牌でもモダン位牌でもど …
ご本尊より高くならないようにする
高さを考えるうえで、もう1つ見ておきたいのがご本尊との関係です。
お仏壇の中で中心になるのはご本尊ですから、お位牌の総高がご本尊より高くならないように選ぶ、というのが仏具の世界で広く言われている目安になっています。
比べるときに迷いやすいのが、どこまでを高さに数えるかというところです。
仏像であれば背中の飾りの先端まで、掛軸であれば絵柄を囲む布地も入れたいちばん上までを、お位牌の総高と見比べます。
しかしながらこれは、宗派の教えとして大きさが決められているというより、お仏壇の中の収まりと、手を合わせたときの気持ちの落ち着きを考えた、仏具の世界の考え方です。
段の少ないお仏壇では、ご本尊とお位牌が同じ段に並ぶこともあります。
天台宗の公式サイトのQ&Aにも、「小振りな仏壇で本尊様と位牌が同じ段になるようなこともあるでしょう」と書かれています。
参考)天台宗 Q&A「仏壇の祀り方について教えて下さい。」
お仏壇の造りによって置ける場所は変わってきますので、そうなったからといって間違いということではありません。
お仏壇の測り方はどこからどこまでか
サイズを合わせるといっても、どこからどこまでを測ればいいのか分からない、という声は少なくありません。
実際に見ておくのは次の4つになります。
- お位牌を置く段の板の上面から、その真上にある棚板の下面までの高さ
- 同じ段の左右の内側の幅と、すでに仏具が置いてあるならその残りの幅
- 実際にお位牌を置く面の、手前から奥までの奥行き
- 扉を閉めたときに、お位牌の頭や台座が当たらないかどうか
どれもメジャーで測れば十分ですから、数字を書き留めておきましょう。
見落とされやすいのが、いちばん下の扉のところです。
お仏壇の幅の表記は扉を閉めた状態のものになりますので、扉の内側の金具や障子にお位牌が触れてしまわないかまで確かめておきましょう。
高さと幅と奥行きが分かれば、置けるお位牌の上限が見えてきます。
そこから少し余裕をみたサイズを選んでおくと、後から仏具を足したくなったときにも困りません。
今あるお位牌の測り方と何寸かの調べ方
すでにお仏壇にお位牌があって、それに合わせて選びたいという場合もあります。
手元のお位牌が何寸なのかは、ご自分でも調べられます。
やり方は簡単で、戒名が書かれている札板の高さだけをcmで測り、3.03で割るだけです。台座は含めずに、板の部分だけを測るところがポイントになります。
札板が12.1cmであれば4.0寸、10.6cmであれば3.5寸という具合です。
きれいに割り切れないときは、いちばん近い0.5寸きざみの数字と考えておけば差し支えありません。
先祖代々のお位牌に合わせたい、もう1本作りたいという場合は、まずここから始めてみましょう。
位牌が複数ある場合はご先祖様のお位牌より低いものを
仏具をどこにどう並べるといった事に関してはある程度はルール的なものはありますが、絶対にこうといったものは実際にはありません。
マナー本やルール経典などを見れば載っていますが、実際には見るものによって微妙に異なりますし、聞く専門家などによっても変わります。
ただし、位牌においては例外で、先祖代々のお位牌がある場合、先祖代々のお位牌より個人のお位牌が大きいというのは好ましくありません。
先祖代々よりも一回りほど小さいサイズを選ぶのが一般的でしたが、最近では先祖代々のお位牌よりも大きくなければ特に問題なしとされている方が多い傾向にあります。
ここで見比べるのは、何寸というサイズの表記ではなく総高のほうになります。
表記が同じ3.5寸であっても型が違えば全体の高さは変わりますので、先にご先祖様のお位牌の総高を測っておくと迷わずに済みます。
一回りほど小さくというのは、同じ高さか、やや低いくらいと考えておけば十分です。
夫婦の場合は今は同じ大きさが一般的
一昔前までは男尊女卑の世の中でもありましたから、夫婦の位牌でもサイズが別れていました。
一家の主でもあった男性の位牌を、女性よりも大きく作るという傾向がありましたが、今ではそんな事はなく同じ大きさで作られています。
また最近では1つの位牌に夫婦連名で戒名などの名入れをされる方も多くなっていますので、この場合は札板の横幅に余裕のあるサイズを選んでおきたいところです。
札板の横幅が札巾で、連名にするとお二人分の戒名や俗名、没年月日と亡くなったときの年齢までをここへ収めることになります。
通常の札巾のままでは文字が窮屈になりますから、札巾の広い型を選ぶか、4寸以上のサイズにしておくと文字にゆとりが生まれます。
名入れの進め方そのものについては、別の記事で詳しく解説しています。
- 位牌の持ち込みで名入れや、名入れ後に夫婦連名位牌にする事はできるか
- 位牌を用意する場合、選び方はそれぞれです。 葬儀社のプランやパッケージで選ぶ方もいれば、お寺から購入される方、通販や仏具店で自分で選ぶケース …
複数ある位牌は置き場所にも注意を
1つの位牌であれば特に気にしなくても良いのですが、位牌が複数ある場合には、その置き場所には注意が必要です。
私たちの日常生活でも上座下座といった概念がありますが、それと同じイメージをしていただけたら、よくわかるのではないかと思います。
お仏壇に置く際、ご本尊のすぐ下の台の右奥が、お仏壇における最上位段となりますので、先祖代々のお位牌がある場合は、ここに置くようにします。
その次がその同じ段の左側、次がその一段下の右側、同じ段の左側、といったように続きますので、しっかりと間違いのない並べ方を心がけましょう。
お仏壇ではなく別の場所にお位牌を安置したいという方は、安置場所と置き方の記事もあわせてご覧ください。
- 位牌の安置場所・置き方 - 仏壇を買わない、処分後に位牌を好きな場所に祀っても大丈夫?
- 位牌と言えば、お仏壇に安置することが長らく当たり前の時代が続いていました。 しかし、価値観の多様化によって、お仏壇の形状も変わり、現代では位 …
位牌については本位牌においても塗、唐木、モダンとわかれますので、サイズ選びは慎重にしっかりと行う必要があります。
特に塗や唐木は古くからお位牌のため、サイズ展開も豊富にあることが多いですが、モダン位牌ではそこまで細かい展開になっていない場合も少なくありません。
買って見たものの入らなかった…では法要にも影響が出てしまいますので間違い無いサイズ選びを心がけていきましょう。
位牌の大きさで迷ったときの考え方
ここまで数字の話が続きましたので、迷ったときの拠り所になる部分をまとめておきます。
まずはお仏壇の中の高さを測るところから始めてみましょう。
その高さに収まって、ご本尊とご先祖様のお位牌より高くならない範囲で選んでおけば、大きく外れることはないはずです。
大きいお位牌のほうが丁寧だということもありません。
大きさで供養の気持ちが測られるわけではありませんので、そこは気持ちを楽にして選んでいきましょう。
それでも決めきれないというときは、お仏壇の中の高さと幅と奥行きを控えたうえで、お店に相談するのが確実です。
その数字さえ分かっていれば、あとはお店の側で候補を絞ってくれます。
数字はあくまで目安になります。
最後はご家族が手を合わせたときにしっくりくるかどうかで、故人にふさわしい1本を選んでいってくださいね。
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