お仏壇を買う際に注意したい店員の助言や行動。
買う時や選ぶ時はこういったところを見ておきたい!

  • 2018.12.26
  • 2020.04.06

仏壇

お仏壇選びにおいては、店員の知識・スタッフの対応も、選考基準の一つとなります。
やはり、同じデザインのお仏壇を購入するのであれば、少しでも対応の良いスタッフから買いたいものです。

ですが、お仏壇という少しジャンルも特殊なものになると、スタッフの質というのもまた均一ではありません。
事実、店舗によっては接客スタッフによってその店の売上げは大きく変わるという事もよくある事なのです。

良いスタッフもいれば、残念ながら悪いスタッフも存在します。
今回は、お仏壇選びのポイントを総合的にまとめるのではなく、店員・スタッフの接客を基準にして紐解いていきたいと思います。

こんな店員・スタッフはダメ~仏壇専門店編~

まずは、お仏壇の購入を真剣に検討している方が訪れるであろう、仏壇専門店の店員・スタッフについて、注意点をご紹介していきましょう。

仏壇専門店の販売事情

株式会社鎌倉新書による2017年度の購入実体調査によれば、お仏壇の全国平均購入価格は34万円という結果が出ています。

これを安いととるか、高いととるかは人それぞれですが、昔と比べればサイズ・デザインだけでなく、比較的安価なお仏壇が欲しいという層が増えてきていることが分かります。

100万円以上のモデルとなると、調査対象となった購入層の3%という数字が出ており、大型本格仏壇クラスを新たに購入する層は、非常に少ないと言えるでしょう。

このような事情から、仏壇専門店のスタッフも体制を一新し、一目で分かりやすい説明・お仏壇のレイアウトを考えるようになりました。
また、それなりの大手であれば、社員教育にも力を入れています。

かつて「練り」や「貼り」と呼ばれていた技術は、所々の事情により「厚板貼り」「薄板貼り」などと呼ばれるようになりました。
全国的な流れとなっているわけでは必ずしもありませんが、これも消費者に少しでも分かりやすい表現で品質表示をしようという試みによるものでしょう。

古い社員・新しい社員それぞれが新しい呼称を学び、お客様に対して説明の内容を統一するという流れができました。
こうして、接客スタイルを一新した中で、より消費者に近い・伝わりやすい接客が求められるようになったのです。

丁寧過ぎる接客が仇となることも

お仏壇を求める消費者のニーズが変わり、それに伴って接客のスタイルも変わりました。
今までお仏壇の購入を考えていなかった層に対し、どのようなアプローチを行っていくかが求められるようになったのです。

また、死を身近に感じる世代ほどお仏壇の必要性を訴えることから、新しくお仏壇を買い換えることを真剣に考えたり、お仏壇を心のよりどころとしたりするのは、現代においても50~70代に多い傾向にあります。

このような事情から、やはり大手仏壇店では祖父・祖母世代へのニーズが依然として強く、特に団塊の世代であればそれ相応の濃密なコミュニケーションを行う必要があるため、どうしても対応が丁寧になりがちです。

しかし、若年層・中年層は比較的目的意識がハッキリしているため、自分で欲しいモデルをあらかじめ調べてから、その有無を店側に確認するというスタンスです。

必然的に、それぞれに対するアプローチが異なりますから、同じようなスタンスで接すると失敗します。

具体的には、説明すればするほど「しつこい」と思われ、若年層のお客さんが離れてしまうのです。
この、年代によってギャップのある姿勢に対し、どれだけ柔軟に接するかが、お仏壇が売れるかどうかを決める要素の一つと言えるでしょう。

古くから続くお店では別の問題もある

大手・個人事業問わず、古くからお店を営んでいる場合は、また別の問題があります。
簡単に言えば、大手が感じている顧客ニーズの違いを認識せずに、今までと同じような接客をしているというものです。

以下に、主だったものをご紹介します。

グレードを上げることをすすめる

これは、一部大手にも見られる傾向ではありますが、顧客にすすめるお仏壇のグレードをできるだけ上げようとするお店が少なくありません。

お仏壇自体の格式・丈夫さなどを考えると、長年使えるものを選んで欲しいという気持ちもあるでしょうが、それはどちらかというと消費者側がこだわる部分であって、本来はお店側ですすめるべきものではないかも知れません。

車を購入する際でも、かつてはショールームに通って欲しい車を見つけていましたが、現代ではあらかじめ欲しいモデルを決め込んでお店に足を運ぶ世代が増えてきていますし、オンラインショップで買うという層も増えてきています。

高額な商品であればあるほど、お客さんが店舗に来る前の段階で、どれだけ効果的な宣伝・レビューを組めるかの重要性が高まっています。

にもかかわらず、なぜグレードを上げるようにすすめる業者がいるのでしょうか。
それは、身もふたもない言い方をすれば、仏壇店にとって「実入りがいい」からです。

ある大手仏壇店において、高級仏壇と呼ばれるモデルの一つは、原価「2割」と言われています。
セールスプライス100万円のお仏壇であれば、20万円が原価というわけで、そのままの価格で売る事ができれば80万円の儲けになります。

これは、売り手としてはおいしい話です。
価格が安くなればなるほど、なかなか原価を削るのは難しくなりますから、より高い方を売った方が利益が出るのです。

お店に足を運んでも、素人目にはとんでもない額の値下げをしているお仏壇を見かけることがあります。
しかし、それでも店側に利益が出るからこそ、そのような値下げをしているのです。

家具調仏壇で高級感のあるモデルが増えているのには、粗利を増やすという一面もそれなりにからんでいます。

古来から伝わるお仏壇のデザインは、彫刻などなかなか素人には表現が難しく、手を抜きにくい傾向があります。
しかし、家具調仏壇であれば、かえってシンプルなデザインの方が喜ばれますから、海外の安くて強い素材・安価な人件費を使えば、当然費用は安く抑えられます。

表面上の細かな手入れ・細工は日本で行ったとしても、材料費・人件費の面で大きくアドバンテージがありますから、実入りは大きいのです。
高級品として売られているモデルであっても、主芯材にMDFを使っているケースは少なくなく、見た目で騙されることも十分考えられます。

一つひとつの素材を吟味して、唐木・金仏壇と価格帯が一緒という場合は、もう一度モデルを見直した方がよいでしょう。
当然、上位モデルを過剰にすすめるお店からは、早々に退散した方が賢明です。

ご先祖様のことを引き合いに出す

かつて、お仏壇の販売が「悪徳商法」扱いされていた時代には、いわゆる宗教商法的な売り方が幅を利かせていました。

「ご先祖様の目がありますから、きちんとしたものを買った方がいいですよ。」
「これではご先祖様が浮かばれませんよ」

こういったことを言って売る業者が少なからずいました。
今なら消費者保護の観点から見て、間違いなくNGになるフレーズですが、このようなセールストークが、当たり前に行われていた時代があったのです。

ただ、このような考え方を持っているスタッフは専門店にも意外に多く、供養という概念を頻繁に引き合いに出すケースは少なくないようです。

確かに、荘厳という意味合いで言えば、お仏壇は贅沢であれば贅沢なほど浄土に近く、ご先祖様の供養につながるという発想は間違いではありません。
しかし、それは必ずしもお金だけで換算される世界ではなく、自分が何らかの形で荘厳できるのであれば、別にお金をかける必要はありません。

創価学会では、現代ほどの認知度を確立するまでの間、信者はミカン箱に御本尊を入れて信仰していた時代もあるようです。
まず、ご先祖様を供養しようと考える自らの心こそが尊いのであり、荘厳はその先にある供養の方法にすぎません。

スタッフを見極める際は、少なくとも自分から先祖供養について述べる姿勢は好ましくないものと見るべきでしょう。

先祖が浮かばれない・報われないから、より上位のお仏壇を買おうというような店員であれば言語道断です。
速やかにお店を離れる勇気を持ちましょう。

低い値段を希望すると、態度に変化が見える

分かりやすい話ですが、購入者側の予算が低いと見るや、対応を変えてしまう店員・スタッフも存在するようです。
これは正直、プロとしてあるまじき行為ですが、人間としては嘘がつけない人なのだと評価すべきなのかもしれません。

値段が高価であればあるほど、店の利益も大きくなりますから、店側としても高いモデルをどう売るかに腐心します。
しかし、それと消費者の気持ちとは、何の関係もありません。

消費者が欲しいと思うものを、気持ち良く買っていただく。
少なくともこの姿勢がなければ、どの業界においても販売員としては落第でしょう。

現代では、求人案内に販売ノルマがないことをうたっている会社も少なくないため、大手であれば表向きはそれほど態度に反映されません。
しかし、個人商店などであれば売上に直接反映することから、やはり態度を硬化させてしまう店主も、一部ではありますが存在するようです。

購入する場合は、スタッフのさりげない仕草・雰囲気にも気を配りたいものですね。

こんな店員・スタッフはダメ~ショッピングモール・ホームセンター編~

続いては、ショッピングモールやホームセンターなどで、季節限定で出品しているケースについてご紹介していきましょう。

また、ショッピングモールに出張している大手お仏壇店も対象としています。
仏壇専門店がどちらかというと積極性から疎まれるケースが多かったのに対し、こちらは逆に消極性が問題になるようです。

そもそもスタッフが売り場近くにいないことも

季節限定であり、専門スタッフが常時いるわけではないショッピングモールやホームセンターでは、これは致し方ない点なのかもしれません。
しかし、消費者としては高い買い物をこれからしようというときに、誰に聞けばよいのか分からなければ、購買意欲もどこかへと消えてしまいます。

スタッフというよりは店側の問題ですが、せめて1名は常時スタッフを置いておくなどの配慮は必要と言えるでしょう。

他の商品と一緒のレジ扱いで、スタッフも同じ

季節商品の場合、スペースにお仏壇が置かれている横に、別の特集が組まれているのを見かけます。
このような場合、特別セール扱いで、他の商品と一緒のレジになることもあります。

ただ、冷静に考えて、お仏壇という大きな買い物にはふさわしくない販売形態だと思われます。
当然、実際に購入する際は、単純にお金のやり取りだけでなく、保証書等の必要書類を取り交わすことになりますが、それはやはり別のスペースで行って欲しいものです。

そして、お仏壇とは全く関係ない商品と、お仏壇の担当スタッフが一緒となると、等価の信用を置くのは難しいはずです。
ただ、問い合わせて専門のスタッフが別にいるという場合は、その限りではありませんから、まずは質問してみましょう。

詳しく聞かれても分からない

ショッピングモールに出張している店舗の場合、スタッフ自体がそれほどお仏壇に対して詳しくないというケースもあります。
というのも、大型のお仏壇は本店での購入という流れもあり、あくまでもカタログだけを紹介する流れにとどめているお店もあるからです。

お店やスペースによっては、仏具を中心に取り扱っていることから、例えば仏壇における宗派の別について聞くと「分からない」という態度をあらわにするスタッフもいます。

もしくは、説明されても本当に知りたいところを答えてくれない場合もあります。
「詳しくは専門の担当者からお話しますので……」

このような回答をされて、果たして購入意欲がわくでしょうか。
どのようなスタッフであれ、一定水準の知識は持っておいて欲しいものです。

お店の雰囲気作りもスタッフの仕事

店員・スタッフの質に心を配るのはもちろんですが、そんなスタッフたちが管理しているお店の雰囲気にも、気を配っておくとよいでしょう。
遠目から見て、仏壇専門店は決して活気のある雰囲気ではありませんが、その代わりに落ち着いた・上質な雰囲気を醸し出しているお店も少なくありません。

以下に、店舗およびスタッフの、見た目の面でのチェックポイントをご紹介します。

お店の中が明るく、品格を感じられるか

基本中の基本ですが、いくらお仏壇を扱っているからといって、年がら年中日陰にお仏壇を置いておいても売れるわけがありません。
現代のお仏壇店は、百貨店や大手家具店に負けないほどの明るさ・レイアウトを備えています。

お客様が入りやすい環境を整えていることは、ある意味では最低条件と言えるでしょう。
スタッフも、きちんとした身なりで落ち着いた雰囲気でたたずんでいれば、若くても、話をしなくても、それなりの風格があります。

また、意外かもしれませんが、お仏壇の店員としては妙齢のスタッフが好まれる傾向にあります。
多くの場合、大切な人が亡くなったことへの悲しみを抱えた状態でお仏壇を選びにくるわけですから、フレッシュさよりは人生経験のあるスタッフを頼りたくなるのが人情というものです。

また、そういうスタッフほど、お客様の気持ちを汲み取るのに長けています。
経験豊富なスタッフは、お仏壇に興味があるのであれば、必ずお客様から声がかかることを知っていますから、焦って接客することはありません。

そのため、態度の悪い店員が店内で目立ってしまうことも知っています。
お店を選ぶ際には、全体的な雰囲気が明るく、品があるかどうかに注目してみましょう。

置かれているお仏壇や仏具がきれいかどうか

こちらも基本的な部分で、お仏壇を販売している以上、売り物をきちんと手入れしていることが見えてこなければ、買おうという気持ちにはなりませんよね。
見た目的にツヤがあり、照明を反射する輝きをたたえている店舗であれば、必要十分と言えるでしょう。

お仏壇は、磨けば磨くほど美しさを増すとされています。
特に、家具調仏壇など、彫刻の出る幕がないモデルであれば、表面の加工には念を入れていることから、磨きが足りない分品質にも反映されます。

商品を大切にしていることが見た目に分かるお店なら、品数が少なくてもお客様は興味を持ちます。
店員の様子から見るポイントの一つとして、手袋をはめてチリ・ゴミを払っているかどうかを観察してみましょう。

お仏壇は木材でできており、埃と指紋に注意して取り扱わなければなりません。
特に指紋は、水分だけでなく塩分・油分を含んでいることから、触り続けているとベタつきを感じることさえあります。

仏壇専門店においては基本的なことですが、このような細かな気配りを見逃さなければ、信頼度の高いお仏壇を購入することができるでしょう。

仏具のレイアウトが自然かどうか

お店によっては、自宅に置く場合を想定して、各宗派ごとの仏具の配置を完成させた状態で展示されているお仏壇もあります。
このときに注意しておきたいのは、その仏具たちのレイアウトが、自然なものになっているかどうかです。

普段、お仏壇に向かって線香をあげている方なら分かると思いますが、最初にろうそくに火を点け、その火をもって線香をあげ、多くのご家庭ではりんを鳴らしてお参りします。

ということは、りん棒はりんの側に配置し、線香とろうそくも近い位置に配置することになります。
また、宗派によって異なる場合もありますが、香炉は中心に置くことが一般的です。

お仏壇を購入したことがない方であれば、事前にどのような形で配置するのかを知っておきたいでしょうし、買い替えを検討されている方であれば、最低限の知識を持っているスタッフ・お店かどうかを判別する一つの基準とするでしょう。

特に、あるべきものがない配置というのは、事情を知っている人にとっては特に目立つものです。
お仏壇を購入する場合は、仏具の細かな配置にも目を配りましょう。

おわりに

お仏壇選びにおいて、店員・スタッフの質は重要です。
従業員がお店を作るわけですから、どのような環境においても、人の持つ力はそれを如実に物語ります。

特に、お仏壇という高額商品を取り扱う関係上、スタッフがお客様に与える印象というのは非常に大きいのです。

積極的過ぎても、消極的過ぎても、機会を逃してしまう特殊な業態であることから、お仏壇を取り扱うスタッフには、ある種の「人間味」が求められていると言えるでしょう。

「ただそこにいるだけで、何となく気持ちが落ち着く。」
そんな店員さんが、理想像と言えるかもしれません。

良いお店を見つけたと思っても、スタッフ次第でその店の善し悪しは変わります。
お仏壇を専門店などで買おうと思っている場合は、少し話しかけて相談してみたりして、様子を見てみるようにしましょう。

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  • 公開日:2018.12.26
  • 更新日:2020.04.06

カテゴリ:仏壇

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