お仏壇を引き継いで継承する場合の財産の問題や
誰が受け継ぐのかの祭祀継承者と長男の問題について

カテゴリ:【 仏事などの解説 , 仏壇

お仏壇と言えば昔なら一生に一度のお買い物と言えるほどに、どの家にも仏壇があった時代であったと言われています。

しかしながら、今の現代においては様々なライフスタイルが変化しました。
親、祖父母の家には仏壇があったけれども自分達の家にはお仏壇は置いていないという人も増えてきています。

そんな時代の変遷と共に、仏壇の継承についても色々疑問に思う方が増えてきています。
特に、両親の家にあったお仏壇、両親が亡くなったりしたとき、誰がどう継ぐのかなどと、相続した時の税金などの問題も色々あったりでややこしかったりします。

今回は、そんな仏壇の継承について簡単にまとめてみました。

お仏壇を引き継ぐ時は相続財産ではなく祭祀財産として

両親が亡くなったりした時、よく耳にするのが相続です。
メディアなどでも、財産などを巡って子ども達が相続トラブルなどを起こすという事がよく頻繁に報じられたりしています。

そういった事もあり、多少ネガティブな要素も強い「相続」ですが、お仏壇を受けつぐ場合はどうなのかという事になるのですが、お仏壇や位牌・仏具などに関しては「祭具」として扱われます。

そのため、祭具に当たるものは一般的な相続ではなく祭祀財産(さいしざいさん)となり、しっかりと民法でも定められています。

ここで言う祭具というのは「仏壇」「位牌」などから仏像や各種仏具などそれに付随する全てのものが該当します。
ただ、安置型のお仏壇だれば、祭具としてなりますが、家の中や建物の中に組み込まれたり、建物の一部になっているようなお仏壇の場合は、祭具に含まれない可能性もあるため注意が必要です。

祭祀財産には原則としては相続税がかからない

少し前に、相続関連の税金が変わったニュースを見た方もいるかと思いますが、実はこのお仏壇などを含めた祭祀財産には相続税はかかりません。

これは、そもそものお仏壇などの祭祀財産は、一般的な相続のように複数人が分けたりするものではありません。

仏壇は長男、位牌は次男、仏像は長女、仏具は…なんて分け方はできません。
そのため、祭祀財産の場合は、受け継ぐ者として「祭祀継承者」の1人にだけ受け継がれる事になります。

祭祀継承者の決定の仕方について

この祭祀継承者はしっかり法律でも定められており、選び方としては3つのパターンがあります。

  1. 既に相続人としての指名が故人からある
  2. 故人指名はないものの、地域的な慣習がある場合
  3. 指名もなく地域的な慣習もない場合

この3つのパターンが存在しています。
少し変わっているのが、このパターン2と3の地域的な慣習があるのか無いのかという点です。

そもそもお仏壇などを含めた祭事は地域のならわしで大きく変わる点も多いのです。
家族的、風習的なものもあり、地域で大きく変わるため、祭祀継承者の決定には遺言などで誰が受け継ぐといった指名が無い場合は、この地域的な風習や慣習が用いられたりする事もあります。

一般的には、やはり長男が引き継ぐべきだという決まりの地域が多いです。
しかし、別の地域などによっては長男が仏壇を持つというのを良くないとする風習の地域などもあります。

そうなった場合、どちらを選んでも、トラブルに繋がります。
そういったような色々と問題があったり、トラブルになるような場合は、祭祀継承者の決定は最終的には家庭裁判所に委ねられます。

ただ、実際にはそうなった場合も、最後は相続人を含めた家族や親戚一同でしっかり話あって、引き受けられる人を決めるというのが一般的となっています。

法的な継承と、実務的な継承の違い

今までは法的なルールで解説してきました。
しかしながら、法的に祭祀継承者となる事と、実務としてお仏壇など一式を受け継ぐというのはまた色々と異なります。

祭祀継承者というのは、法的に決められたものになります。
そのため、指名を受けると基本的には祭祀継承者となる事を拒否する権限は持っていないのです。

拒否はできなくとも、その後の処理は継承者の自由

注意しなければならないのが、この点です。
祭祀継承者というのは、法的に決められるもので、継承者として選ばれた場合は拒否ができません。

ですが、祭祀継承者となった場合、その後の法要や仏壇の手入れをしなければいけないかというと、それは法的に決められたものではありません。

簡単に言えば、法的にお仏壇の継承者として選ばれたら、拒否はできないけど、継承者となった後は、お仏壇の処理などは自由にしても構わないという事になります。

そのため、極論を言えば、祭祀継承者となった後、全ての仏壇仏具を破棄するとしても法的には問題がないのです。

無理矢理に受け継ぐ人を決めてしまうとトラブルの元

このように継承者の指名は避けられなくとも、継承後の義務は一切負いません。
そのため、長男だから、今までのしきたりだからといって、半ば強制的に本人が嫌がっているものを引き継がせると、その後に処分されてしまうなどのトラブルの元になります。

一般的なルールでは長男が受け継ぐという流れは多いですが、しかしながら、長男が必ずしも受け継ぐのかというと、そういうわけではありません。

各家庭や環境などによって、1人だけ遠方などの場合は、受け継いだ後の法要などの際、皆が集まれないといった自体も起きてしまいます。
そういった場合は、皆で話合って、長男ではない方が受け継ぐという事もあります。

大切なのは、誰が受け継ぐかではなく、どう受け継ぐか

長男だから、長男の嫁だからというのは、実際にはもう古い考え方です。
もちろん、そういった考え方は古くからのしきたりであったり、習わしなどであったりもしますので、縛られることもあるかもしれません。

ですが、一番大切にしなければいけないのは「心」の部分です。
誰が受け継ぐのかで考えるよりも、受け継いだ後、どうしていくかという事をしっかり考えなければなりません。

御先祖様も、長男だけれども受け継いだ後に全くお世話やお参りをせず埃にまみれるようになるのと、しっかりと毎日のご飯やお水変え、お花を添えてお参りしてくれる次男や三男がいた場合、どちらに受け継いで欲しいかは、火を見るよりも明らかです。

長男や長女、長男の嫁だからといって、必ず引き継ぐといった事ではありません。
もちろん、そうなる流れが多いですが、しっかりと引き継げるという点であれば、例えば内縁の妻であったとしても、問題はありません。

誰が引き継ぐのかではなく、毎日しっかりと定期的にお仏壇や御先祖様の事を考え手を合わせられる人が受け継ぐべきと言えるのではないでしょうか。

そのためにも、ある日突然、この仏壇どうするの?とならないためにも、ある程度は事前に誰がどう受け継いでいくのかというのを家族間で話合っておくのがベストな選択と言えます。


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