お仏壇を選ぶためにはまず知る事から。
金や唐木にモダンとお仏壇の種類と特徴を知っておく

お仏壇と言っても、実際には様々な種類があります。
古くからある伝統的なお仏壇から、昨今の生活習慣の変化や多様性から産まれてきたお仏壇など色々存在しています。
また、宗派によっても選ぶべき仏壇の種類が多少変わる事もあります。
ここでは、そんなお仏壇の種類について大きなくくりで分けた3タイプのお仏壇の種類を解説しておきます。
お仏壇の種類は大きく分ければ3種類
一昔前までは、大きく分けて2種類のお仏壇でした。
しかしながら、今では住まいの環境などが変わってきており、和室を作らない家など欧米様式の家も増えてきて、それらに合わせた新しいお仏壇なども出てきています。
大きく分ければ、下記の3つの種類が存在します。
- モダン仏壇
- 唐木仏壇
- 金仏壇
それでは、簡単に1つ1つの種類と特徴を見ておきましょう。
モダン仏壇(家具調仏壇・リビング仏壇)
最初にも記載したように、今の生活スタイルは欧米風になり、和室がなくフローリングのみの住宅が増えてきています。
そういった住宅でも置いて違和感のないお仏壇をという事で登場したのがこのモダン仏壇になります。
お店や人によって呼び名は実際には様々で、リビングに置きやすいという事からリビング仏壇と呼ぶ人もいれば、家具に似ているから家具調仏壇という人もいれば、今風のデザインだから現代風仏壇と呼ぶ方もいます。
(余談ですが現代仏壇は1つの仏壇ブランドでそれと別に表記するため現代“風”仏壇と呼ばれています。)
主な特徴はデザインが非常に自由で名前の通り扉を閉めれば家具のように見えますしリビングに置いても違和感なく設置できるデザイン性の高さが人気です。
実際に今のお仏壇業界では売れ筋となっているのがこのモダン仏壇になっています。
お仏壇のはせがわが2024年11月に公表した資料では、2023年度に同社で購入されたお仏壇のうち約86%がモダンなデザインのもので、昔ながらの伝統的なお仏壇は約14%だったとされています。
業界全体を調べた統計ではありませんが、大手の店頭でこれだけの差がついているというのが今の状況になります。
参考)【現代の住空間にマッチするモダンで小型なお仏壇がトレンド】はせがわ×国内家具メーカーのお仏壇ブランド「LIVE-ingコレクション」に新作登場
宗派によって選ぶ選ばないというのはなく全宗派で選んで問題ありません。
唐木仏壇(伝統型仏壇)
名前の通り「唐木」の木材を使用したお仏壇になります。
黒檀、紫檀、鉄刀木、欅、桑など天然木材を使用し木目の美しいお仏壇となります。
使う木材によって値段も非常に高級で高価なものなどもあり、希少木材の屋久杉などを使ったお仏壇なども存在しています。
ただ、屋久杉は2001年に伐採が終わっており、その後に出回っていたのは土埋木(どまいぼく)と呼ばれる、昔に伐られたまま山に残されていた材でした。
その土埋木の定期的な市売りについても、林野庁の屋久島森林生態系保全センターが2019年で終わったと伝えています。
今は台風などで倒れた木が数年に一度ほど入札にかけられる程度で、新しく出てくる量はごくわずかです。
今でも屋久杉のお仏壇を見かける事はありますが、そのほとんどは過去に伐り出された材から作られたものになります。
宗派によって唐木仏壇を使う使えないといった事はなく、どの宗派でも基本的には問題なく設置して問題ありません。
金仏壇
多くの人が仏壇と聞くとこの金仏壇をイメージする事が多いです。
というのも、実家や田舎の祖父母の家にお仏壇があったという方で、このタイプのお仏壇を見ていたという方も多くいてその記憶が強く残っているのだと思います。
全体的に黒の漆塗りで仕上げており、内部には金箔や金粉などで、名前の通り金のお仏壇に仕上げたものになります。
非常に華やかで荘厳さがあるお仏壇で、様々な装飾が施され、まさに日本の伝統技術が施されたお仏壇となっており、主に浄土真宗系の宗派で使われるお仏壇になり、他に浄土宗でも一部使われます。
ただ、それ以外の宗派で選んではいけないという決まりがあるわけではありません。
その他のお仏壇
大きなくくりで分ければ上記の3つの仏壇になります。
実際、ほとんどの販売店でも、モダン仏壇、唐木仏壇のコーナーに、浄土真宗系に対応しているお店なら金仏壇を置くというのが一般的です。
ただ、現代の生活スタイルなどは多様性が広がりそれに合わせたお仏壇も色々なジャンルが登場してきています。
まだまだ数や規模としては少数派ではありますが、下記のような種類も登場してきています。
- 注文住宅などで使われる造り付け仏壇(造作仏壇)
- 持ち運びのできる携帯型仏壇
- ペット用のお仏壇
- 特定の宗教・宗派などで用いる専門のお仏壇
もちろん、上記のタイプも大きなくくりで言えば、唐木を使ったお仏壇で唐木仏壇になりますし、今風という事でモダン仏壇にもなりますが、細かくわけていけばこういったミニジャンルの種類も存在しています。
お仏壇のもう一つの分け方(上置き型・台付き型・壁掛け型)
ここまで見てきたモダン仏壇・唐木仏壇・金仏壇という分け方は、見た目や作りに注目したものになります。
お仏壇にはもう一つ、どこにどう置くかという分け方もあります。
先ほどのはせがわの資料では、モダンなお仏壇の売り上げの約65%を、高さ50センチ以下の小型サイズが占めていたとされています。
小さいお仏壇ほど、どこに置くかによって選べるものが変わってきますので、置き方の分け方も知っておくと役に立ちます。
置き方で分けると、だいたい下記のような形になります。
| 置き方 | 置く場所 | どういうものか |
|---|---|---|
| 上置き型 | タンスやキャビネット、専用の台の上 | 家具の上に置ける小型のもの |
| 台付き型(床置き) | 床に直接 | 下台と一体になっていて床にそのまま据えるもの |
| 壁掛け型 | 壁面 | 絵や時計のように壁へ取り付ける薄型のもの |
| 地袋の上 | 和室の地袋の天板 | 地袋(床に接した高さの低い袋戸棚)に納まる高さのもの |
上置き型と台付き型という呼び方は、お仏壇の浜屋などが実際に使っているものです。
お店の商品ページでもこの呼び方で分かれている事が多いので、頭に入れておくと探しやすくなります。
壁掛け型は、以前はめずらしい形でした。
しかしながら今でははせがわや現代仏壇でも独立したカテゴリとして扱われており、選択肢の一つになってきました。
地袋の上に安置するという形については、業界団体の全日本宗教用具協同組合が個別に案内を出しています。
和室のあるお家であれば、候補に入れて考えてみてもよいかもしれません。
見た目で分ける考え方と、置き方で分ける考え方は、どちらか一方を選ぶというものではありません。
仏壇を置くスペースが取りにくい時は
マンションや今の住まいの事情で、お仏壇を置く場所がどうしても取りにくいという方もいらっしゃいます。
そういった場合には、ミニ仏壇や厨子(ずし)、お手元供養といった形もあります。
ミニ仏壇は名前の通り小さなお仏壇で、棚や家具の一角にも納まる大きさのものになります。
厨子は仏像やお位牌を納める、扉の付いた小さな箱型のものです。
お手元供養はご遺骨の全部または一部を、ご自宅など身近な場所に置いて供養していく形になります。
どれが正式でどれが略式だ、という決まりがあるわけではありません。
お仏壇を置かないという選び方も含めて、住まいと家族の事情に合っているかどうかが決め手になります。
お仏壇を選ぶ順番(置き場所から予算まで)
分け方が見えてくると、次に迷うのは何から決めればいいのかというところではないでしょうか。
全日本宗教用具協同組合は、安置する場所を決めて、その空間の幅と奥行きと高さを測り、それから大きさや素材やデザインを選ぶ、という順序で案内しています。
ここに宗派の確認と予算を足すと、下記のような流れになります。
- どの部屋のどこに置くかを決める
- その場所の幅と奥行きと高さを測る
- 収まる大きさの中から種類やデザインを選ぶ
- 宗派として問題がないかを確かめる
- 無理のない予算に収まるかを見る
先に置き場所を決めて寸法を測っておくと、選べるお仏壇の範囲は自然と絞られてきます。
お仏壇の浜屋も、安置する場所をあらかじめ決めて寸法を測っておくと購入の際に便利だとしています。
お仏壇のサイズは号数という独特な表記で示される事も多く、初めてだと分かりにくいところがあります。
サイズの見方については別の記事で詳しく解説していますので、採寸のところで迷ったら合わせて読んでみてください。
- お仏壇のサイズについて。サイズの種類や表記と選び方と正しい見方
- お仏壇を置く場所を決める際に、最も重要になってくるのが、置く場所にしっかりおさまるかどうかです。 これには、お仏壇のサイズがそもそも置く場所 …
この順番どおりに進めていけば、選ぶものは自然と決まっていきます。
最初から全部を決めようとせず、一つずつ確かめてみましょう。
宗派で仏壇の種類は決まってしまうのか
結論を先に書いておくと、宗派で種類が決められているお仏壇は、浄土真宗のほかにはほとんどありません。
お仏壇のはせがわも、浄土真宗では伝統的に金仏壇を飾るとしています。
天台宗や真言宗、浄土宗、曹洞宗、臨済宗、日蓮宗といったその他の宗派については、決められた種類のお仏壇はなく、基本的には好みのお仏壇を飾ってよいというのが同社の説明です。
冒頭で宗派によって選ぶべき種類が多少変わる事もあると書きましたが、実際に変わってくるのはお仏壇そのものより、中に祀るご本尊(お仏壇の中心にお祀りする仏様)や仏具のほうになります。
全日本宗教用具協同組合も、宗派によってご本尊が変わるため確認するようにと案内しています。
親戚に何か言われないだろうかと気にされる方は少なくありません。
ただ、お仏壇の種類そのものが間違いになるという場面は、そう多くはないと言えます。
浄土真宗の金仏壇にしても、そうしなければいけないという決まりではなく、長く受け継がれてきた慣習になります。
先ほど書いた通り、他の宗派の方が金仏壇を選んでも構いません。
ご自身の宗派で何を祀るのかは、お寺や仏壇店に聞けば教えてもらえます。
種類選びのところで気負いすぎなくても大丈夫です。
お仏壇の種類ごとの値段の目安
種類と置き方が決まってくると、やはり気になるのは値段のところになります。
お仏壇のはせがわは、お仏壇の価格帯を5万円〜110万円程度とかなり幅の広いものだとしたうえで、種類ごとの目安を下記のように示しています。
- モダン仏壇は5万円〜50万円程度
- 唐木仏壇は30万円〜110万円程度
- 金仏壇は50万円〜110万円程度
これは業界共通の相場ではなく、はせがわ1社が公開している目安になります。
金額そのものを覚えるというより、どの種類がどのあたりの価格帯なのかを掴んでおくと、お店で値札を見た時に戸惑わずに済みます。
同じ種類でも値段に差が出る理由
同じ唐木仏壇でも値段の幅が大きいのはどうしてなのか、と思われる方もいらっしゃいます。
お仏壇の浜屋は、用いられる銘木の厚さや貼りつける面数の違いが店頭での販売価格の違いになっていると説明しています。
価格を抑えたものにはプリント合板で仕上げたお仏壇もあり、長く置いていると色あせやプリントの剥がれが出てくる事もあるとされています。
逆に無垢材については、重くなるうえに材質の割れや歪みが生じやすいという指摘もあります。
仏壇店の滝田商店は、小さい金仏壇のほうが大きいものより高い事もあるとしています。
小さいから安いとは限らないというのが、お仏壇の値段の難しいところです。
お仏壇全体の相場や、通販と店舗で価格がどう変わってくるのかは下記が参考になります。
- お仏壇の値段の相場・目安と通販と店舗の販売価格の違いについて
- お仏壇と言えば、実際に名前や形は知ってるけれど、意味や詳細は知らないという代表の1つと言えるかもしれません。 そして、多くの人にとって仏壇は …
まとめ
選べる種類が多いぶん、見た目と置き方の両方から見ていくと、候補は絞りやすくなります。
昔ながらの伝統的なお仏壇から今に合わせた仏壇まで今では非常に幅広いお仏壇が存在しています。
お仏壇選びは、まずどのお仏壇のタイプにするのかというのと、宗派として問題ないかなども合わせて考えて、お仏壇選びをしていくようにしましょう。
もちろん、どのお仏壇が良くてどのお仏壇がダメといったものはありませんので家族の方と相談しながら決めていくようにしましょう。


