真言宗のお仏壇選びを解説
どの種類のお仏壇で値段はどうすれば?が解決します

  • 2016.09.09
  • 2026.09.08

真言宗

真言宗と言えば、言わずと知れた「弘法大師」と呼ばれる空海によって開かれた宗派になります。阿弥陀如来や釈迦如来をご本尊とする宗派が多いなかで、真言宗では大日如来をご本尊とする特徴があります。

真言宗は密教と呼ばれていたものを理論・実践ともに大成させました。
現在では真言宗とひとくくりにはなっているものの、高野山真言宗、真言宗智山派、豊山派、東寺真言宗などの宗派に分かれています。

その中でも、主要なものとされているのが、16の宗派による、真言宗十八本山とも呼ばれる各派の総本山・大本山である18の寺で、この18か寺が真言宗各派総大本山会をつくっています。

今回はそんな真言宗におけるお仏壇の選び方などについて見て行きましょう。

真言宗のお仏壇の選び方と決まりについて

真言宗のお仏壇については、結論から先に書けば、このお仏壇をといった決まりやルールというのは特にありません。

真言宗の宗派によってもお仏壇そのものでこれを使わなければといったものは、ありませんので、基本的には好みや価格や予算などと考えながら、お仏壇を選んで問題ありません。

多くは、唐木仏壇かモダン仏壇のどちらかを選ぶ事になります。
金仏壇は主に浄土真宗で使われる事が多いため、真言宗で金仏壇を選ぶ方というのはまずいらっしゃいません。

とはいえ、金仏壇が浄土真宗で多く用いられているのは慣習であって、ルールとして決まっているわけではないのです。
金仏壇が主流になっている地域もあり、岐阜地方などがそれにあたります。

実際、自分が担当していた頃は、ほぼ100%のお客様が唐木仏壇かモダン仏壇のどちらかを選ばれていました。

お仏壇はどれを選んでも基本的に問題がないため、価格や値段についても決まりはありません。

どれくらいの値段がオススメですか?といった事をよく聞かれますが、やはりお仏壇は真っ当な販売方法をしているお店なら、サイズが大きく品質が高ければその分だけ比例して価格も上がります。

そのため、予算や置く場所などによって価格も変わるため、しっかり置き場所などを考えてからお仏壇選びをするようにしましょう。

このようにお仏壇そのものは好みで選んで構わないのですが、その中に何をお祀りするのかとなると、真言宗ならではの形が出てきます。
ここから先は、お仏壇の中身をどう整えていくのかを順に見ていきたいと思います。

真言宗のお仏壇に祀るご本尊と脇侍

お仏壇にそろえるもののうち、宗派によって必ず変わってくるのはご本尊と脇侍の2つになります。
ご本尊の両脇にお祀りする掛け軸や仏像を、脇侍と呼びます。

裏を返せば、この2つさえ押さえておけば大きく外すことはありません。

真言宗のご本尊は大日如来が基本

結論から先に述べておくと、家庭のお仏壇では中央に大日如来をお祀りするのが基本の形になります。

大日如来は、密教の世界を絵で表した曼荼羅の中心にいらっしゃる仏様です。
真言宗では金剛界と胎蔵界という2つの曼荼羅を合わせて両界曼荼羅と呼び、そのどちらにも大日如来が描かれていると、真言宗豊山派の金剛院が説明しています。

仏像でお祀りしても掛け軸を掛けても構わず、どちらでなければいけないという決まりはありません。
お仏壇の大きさや予算に合わせて決めていけば十分です。

ご実家から引き継いだご本尊がすでにあるようなら、それをそのままお祀りしましょう。

脇侍は向かって右に弘法大師、左に不動明王

脇侍は、向かって右に弘法大師、左に不動明王をお祀りします。
真言宗のお仏壇のなかで、形がはっきりしている部分になります。

高野山真言宗の寺院である麻布高野山 正光院も、正面に本尊として大日如来、向かって右側に弘法大師、左側に不動明王をお祀りするのが正しい真言宗の仏壇の祀り方だと述べています。

参考)作法・仏事HowTo

不動明王は、炎を背にしてけわしい表情をした、お不動さまと呼ばれる仏様になります。掛け軸を探していてお不動さまという表記に出会っても、同じ仏様ですから戸惑わなくて大丈夫です。

脇侍は仏像でも掛け軸でも問題ありませんが、ご本尊より大きくならないサイズを選びましょう。
ご本尊を仏像にして、両脇の2つを掛け軸でそろえる組み合わせもよく見かけます。

仏像と掛け軸の選び分けや、サイズ表記の見方は下記の記事で詳しく解説しています。

真言宗の御本尊と脇侍 – 大日如来の仏像や掛け軸の選び方と祀り方
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引き継いだご本尊が大日如来ではない場合

ご実家のお仏壇を引き継いだところ、中にいらっしゃるのが観音さまやお不動さまだった、というケースがあります。
「真言宗なのに大日如来ではないのか」と慌ててしまう方もいらっしゃいます。

実を言えば、真言宗の寺院そのものが、ご本尊を一つに定めていないのです。
真言宗智山派の大本山である成田山新勝寺のご本尊は不動明王で、豊山派の総本山である長谷寺のご本尊は十一面観音になります。

真言宗智山派の威徳寺は、同派のご本尊を大日如来をはじめとする曼荼羅諸尊としています。大日如来が基本にあることは変わらないものの、そこから外れていたら間違いというものではありません。

菩提寺のご本尊に合わせるという考え方もありますので、引き継いだご本尊はそのままお祀りして大丈夫です。

真言宗の派の分かれ方と自分の家の派の調べ方

真言宗が複数の派に分かれていることは記事の最初に触れましたが、それが自分の家とどう関わってくるのかまでは分かりにくいかもしれません。

先に書いておくと、派によって変わってくるのは主に脇侍で、お仏壇本体の選び方は変わりません。

古義真言宗と新義真言宗、真言律宗という3つの系統

真言宗各派総大本山会をつくる18か寺について、高野山真言宗の総本山金剛峯寺が公式サイトで次のように整理しています。

  • 古義真言宗系(高野山真言宗、東寺真言宗、真言宗醍醐派、真言宗御室派など12派13か寺)
  • 新義真言宗系(真言宗智山派、真言宗豊山派、新義真言宗の3派で、智積院・長谷寺・根来寺の3か寺)
  • 真言律宗(1派で、西大寺と宝山寺の2か寺)

古義と新義の分かれ目にいるのが、次に出てくる興教大師覚鑁(かくばん)というお方になります。

なお、この16派というのは、いま挙げた総大本山会に加わっている派の数です。
真言宗の派がこれで尽きるわけではありません。

金剛峯寺の同じページには、主な宗派だけ数えてみても実に18種類も数えることができる、と書かれています。
先ほどの18か寺は本山の数で、こちらの18種類は宗派の数になります。

参考)高野山真言宗とは

新義真言宗系で脇侍に興教大師を祀ることがある理由

新義真言宗系の派では、脇侍の左に不動明王ではなく興教大師をお祀りすることがあります。どうしてそうなるのかを、順を追って見ていきましょう。

真言宗豊山派は、宗派の公式サイトで弘法大師・興教大師・専誉僧正を三祖としています。真言宗智山派のほうは、宗祖が弘法大師で、中興の祖が興教大師覚鑁になります。

新義真言宗の総本山である根来寺は覚鑁が開いたお寺で、いまも興教大師の御廟を守り続けているとしています。
新義系の派にとって、興教大師がそれだけ大きな存在だということです。

ただし、家庭のお仏壇で左脇を興教大師にするかどうかは、お寺によって変わってきます。新義系だから必ず興教大師でなければならない、というものではなく、不動明王のままお祀りしているお宅もあります。

掛け軸や仏像を買う前に、菩提寺へ一言確認しておくと確実です。

自分の家がどの派なのかを確かめる方法

では自分の家がどの派なのかをどう確かめるかというと、いちばん早いのは菩提寺に直接尋ねることです。
お仏壇を用意するので脇侍をどうすればいいか、と聞けば教えてもらえます。

菩提寺の名前で公式サイトを見てみる方法もあります。
真言宗の寺院は自分の派を明記していることが多く、成田山新勝寺なら真言宗智山派の大本山、長谷寺なら真言宗豊山派の総本山と、はっきり書かれています。

菩提寺の本山がどこかを知っているなら、先ほどの18か寺と照らし合わせても分かります。本山が智積院なら智山派、長谷寺なら豊山派、金剛峯寺なら高野山真言宗といった具合になります。

なお、そもそも家の宗派がはっきりしないのであれば、話が少し変わってきます。
ご実家や、お墓のあるお寺に確認するところから始めましょう。

真言宗のお仏壇でそろえる仏具

ご本尊と脇侍のめどが立ったところで、その周りに置く仏具をそろえていきましょう。

店頭で並んでいるものを前にすると、何をいくつ買えばいいのかが分からなくなるものです。

まずそろえたいのは三具足の花立と火立と香炉

家庭のお仏壇の仏具は、宗派を問わず三具足が基本になります。
花立・火立・香炉のことで、真言宗だからこれを使わなければいけないという特別な仏具はありません。

そろえておきたい仏具を挙げると、次のようになります。

  • 香炉
  • 火立
  • 花立
  • 仏飯器
  • 茶湯器
  • おりん

これだけあれば、毎日のお参りで困ることはありません。
一度に全部そろえなくてもよいものですから、お参りをしながら少しずつ足していく形でも構いません。

ただ、火立の形など宗派の色が出る仏具もありますから、お店で選ぶときは真言宗だと伝えておくとやりとりが早くなります。

三具足と五具足はどちらを選べばいいのか

三具足は、花立・火立・香炉をそれぞれ1つずつ置く形です。
より正式にするなら五具足で、花立を一対、火立を一対そろえ、香炉を1つ真ん中に置きます。

仏具の数が増えるぶん横幅も必要になりますので、小さなお仏壇であれば三具足のままで十分です。どちらでなければいけないという決まりもありませんから、お仏壇の大きさに合わせて選びましょう。

三具足と五具足の違いや、四具足まで含めた具足の考え方は別の記事にまとめました。

具足 - 三具足・四具足・五具足など仏具の具足について知っておく
仏具で基本となるのが「具足」と呼ばれる仏具の一式セットになります。 一般的には、多くが三具足から始まり、四具足、五具足、と続いていき、多くな …

一式でいくらかかるのかを先に考える

お仏壇を探しはじめたときに見落としやすいのが、本体以外にかかる費用になります。ご本尊と脇侍、お位牌、仏具は、いずれも本体とは別に用意するものです。

本体の予算をぎりぎりまで使ってしまうと、中身をそろえる段階になって足りなくなってしまいます。
はじめから一式でいくらという見方をしておくと、後から慌てずに済みます。

とはいえ、すべてを最初から完璧にそろえなければいけないわけでもありません。
ご本尊と脇侍、三具足を先に用意して、残りは追い追い足していくという進め方でも構いません。

真言宗のお仏壇の飾り方と仏具の並べ方

仏具がそろったら、次はそれをどこに置くのかという話になります。
上の段から順に、ご本尊と脇侍、お位牌とお供えもの、三具足という並びが一般的な形です。

ただし真言宗として、どの段に何を置くのかを細かく定めた公式の決まりが示されているわけではありません。
ここから見ていく並べ方も目安として受け取り、住まいやお仏壇の形に合わせて構いません。

上段に祀るご本尊と脇侍

いちばん上の段の中央に、ご本尊の大日如来をお祀りします。
その両脇が脇侍の場所で、並びは向かって右に弘法大師、左に不動明王になります。

上段はお仏壇の中で最も高い位置にあたるため、基本はご本尊と脇侍のための段だと考えておきましょう。

ご本尊の前に小さな飾り香炉を置くお宅もありますが、スペースに余裕がなければ無理に置かなくても構いません。
段の広さを見ながら決めていけば十分です。

中段に置くお位牌とお供えもの

仏飯器と茶湯器は、中段の中央が置き場所になります。
炊きたてのご飯とお茶やお水をお供えする器で、正光院の公式サイトにも、お茶や仏飯をそなえると書かれています。

お位牌を並べるのは、その左右になります。
複数あるときは、先に亡くなった方を向かって右に置くのが一般的とされています。

細かな並べ順まで真言宗として定められているわけではありませんので、そこまで神経質にならなくても構いません。

お位牌の選び方そのものは、後の章で詳しく解説します。

下段に置く三具足とおりん

下段には三具足を並べます。
正光院の公式サイトは、香炉を中心にして右に灯明、左に花立てを配置するとしています。

線香差しやマッチ消しのように実際に手を使うものも、この段にまとめておくと使いやすくなります。
おりんは下段に置くことが多いものの、経机を用意して、そちらへ置いても差し支えありません。

下段は毎日手を伸ばす場所ですから、見た目の形式より使いやすさを優先して大丈夫です。

段が2つしかない小さなお仏壇の場合

モダン仏壇やミニ仏壇には、段が2つしかないものも多くあります。
3段を前提にした並べ方をそのまま当てはめられず、困ってしまうところかもしれません。

この場合は、上の段にご本尊と脇侍、下の段にお位牌とお供えものをまとめ、三具足を手前に置く形にします。段の数が足りないからといって、置ききれないものまで無理に並べる必要はないのです。

お仏壇に収まる範囲へおさめたほうが、毎日のお参りもしやすくなります。
手を合わせやすい形になっていれば、それで問題ありません。

真言宗のお位牌で気にしておきたいこと

真言宗は、お位牌を用いる宗派です。
お仏壇の中身をそろえるときには、お位牌も一緒に手配しておきましょう。

白木のお位牌は、お葬式から四十九日法要までのあいだ仮に使います。
そのあいだに本位牌を用意し、四十九日の法要でお寺に魂を入れてもらう流れになります。

文字入れには2週間ほどかかるのが一般的です。
しかしながら、通販を中心に数日で仕上がるところも増えてきました。

四十九日が目前に迫ってから気づいたとしても、間に合うケースは多いものです。

デザインや材質、色について真言宗としての決まりはありません。
昔ながらの黒塗りを選んでも、モダン仏壇に合う木目のものを選んでも構いません。

気をつけたいのはサイズで、ご本尊より背が高くならないものを選びましょう。
お仏壇の中では、ご本尊がいちばん上に見える形を保ちたいからです。

戒名の上に梵字を入れる形もありますが、入れるかどうかは菩提寺の考え方で変わってきます。
注文してしまう前に、菩提寺へ確認しておきましょう。

お位牌の種類やデザインを宗派ごとに見ていきたい方は、下記の記事が参考になります。

位牌の選び方(浄土宗・真言宗・天台宗・臨済宗・日蓮宗・曹洞宗)
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お仏壇を迎えたあとに行う開眼供養

お仏壇は、家に置いた時点で支度が終わるわけではありません。
新しくお迎えしたときには、開眼供養を行いましょう。

ご本尊やお仏壇に魂を入れていただくための法要になります。
お位牌を新しくしたときにも、同じように魂を入れてもらいます。

開眼供養をお願いするのは、菩提寺になります。
真言宗だから特別な段取りが要るわけでもありませんので、お付き合いのあるお寺へ相談しましょう。

四十九日法要が控えているようなら、そのときに一緒に行うケースが多く見られます。法要の予定がないなら、日取りだけ先に決めておくと落ち着いて準備できます。

当日の流れや服装、お布施の包み方が気になるようでしたら、下記の記事をご覧ください。

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真言宗の毎日のお参りとおつとめ

お参りのたびに、作法を間違えて親戚に何か言われないだろうかと不安になる方は少なくありません。

真言宗として形の決まっていることと、そこまで気にしなくていいことを分けて見ていきましょう。

ご宝号の南無大師遍照金剛

真言宗のお参りでよく唱えられているのが、南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)というご宝号です。
ご宝号とは、仏様やお大師様のお名前をたたえて唱えるものになります。

大師は弘法大師を、遍照金剛は大日如来を指す言葉です。
真言宗豊山派の公式サイトでも、弘法大師と大日如来さまにともに帰依いたします、という意思表示になる言葉だと説明されています。

ご本尊の大日如来と、宗祖であるお大師様の両方に、一度に手を合わせられる言葉になっているわけです。

短くて覚えやすいものですから、お仏壇の前に座ったときに唱えてみましょう。
お経を読む時間が取れない日でも、この一言があれば立派なお参りになります。

大日如来の真言である光明真言

もう一つよく唱えられているのが、光明真言(こうみょうしんごん)になります。
ご本尊である大日如来の真言にあたるもので、ご家庭のお勤めでも広く用いられてきました。

真言宗智山派の満福密寺は、読み方を「おん あぼきゃー べーろしゃのー まかぼだら まに はんどま じんばら はらはりたや うん」としています。

ただし、この読み方は派やお寺によって少しずつ違いがありますので、菩提寺や手元の経本の表記に合わせましょう。

はじめて目にすると呪文のようで身構えてしまいますが、そこまでむずかしく考えなくても構いません。

満福密寺は、この光明真言の意味を住職の言葉で説明しています。
真言宗豊山派の金剛院にいたっては、印刷用のPDFと音源を配って、家庭でも唱えられるようにしているほどです。

覚えていなくても、経本を見ながら読んでまったく差し支えありません。

おつとめの流れとお線香の本数

毎日のおつとめの手順は、真言宗豊山派の公式サイトが分かりやすくまとめています。

身を清めて念珠を用意し、お灯明と線香をつけてていねいに三度礼拝、経本を両手でいただいて開き、お経を唱え、念珠をかけて祈り、終わりにもう一度三度礼拝する、という流れになります。

毎日この通りにできなくても差し支えありません。
出かける前に手を合わせるだけの日があってもいいのです。

お線香については、真言宗は3本を逆三角形に立てると案内されることが多くなっています。ただ、1本しか立てられなかった日があっても、本数はそこまで気にしすぎなくて大丈夫です。

どうしても心配なようでしたら、菩提寺に確認してみましょう。

お線香のあげ方は宗派ごとに少しずつ違いますので、気になる方はこちらの記事も読んでみてください。

お線香のあげ方 – 宗派別の本数や立て方・寝かせ方の作法
お仏壇に手を合わせる時、お線香をあげるという動作はごく自然なものに感じられます。 しかしながら、いざ「正しいあげ方は?」と聞かれると、自信を …

お仏壇を置く場所と向きはどう考えるか

毎日手を合わせやすいかどうかは、お仏壇をどこに置くかで変わってきます。

お仏壇の向きについては、拝む方向の延長線上に総本山が来るように置くとよい、と案内されることがあります。
ただ、これを真言宗の決まりとして示した宗派公式の説明は見当たりませんでした。

高野山真言宗の寺院である正光院が置き場所として挙げているのは、方角ではなく部屋のほうになります。

家族全員が集まる部屋がよいこと、いつでも気軽にお参りでき、ご先祖様や本尊様とのこころの交流ができる環境が大切だとしています。

マンションや洋室にお住まいの場合は、向きを選ぶこと自体がむずかしいかもしれません。方角で迷うくらいなら、家族が自然と集まる場所を選ぶほうが現実的です。

そのうえで避けたいのは、直射日光が当たるところ、エアコンの風が直接当たるところ、湿気がこもって風通しのよくないところになります。
お仏壇は木でできていますので、乾燥や湿気で傷みやすいというのがその理由です。

まとめ

真言宗は、お仏壇そのものについての決まりが少ない宗派です。
本体は唐木仏壇でもモダン仏壇でも構いませんし、仏具やお位牌の色形も、住まいに合わせて選んで差し支えありません。

必ず押さえておきたいのは、中央に大日如来、向かって右に弘法大師、左に不動明王という並びくらいになります。
ここさえ整っていれば、あとは予算と置き場所に合わせて少しずつ形にしていけます。

新義真言宗系の脇侍や、お位牌の梵字のように、お寺の考え方で変わってくるところもあります。そうした部分は菩提寺に一言尋ねれば済む話ですから、気負わずに聞いてみましょう。

いちばん大切なのは、形をそろえることよりも、毎日手を合わせる時間があることだと考えています。ご家族が集まりやすい形で、長く手を合わせていけるお仏壇を整えてまいりましょう。

  • 公開日:2016.09.09
  • 更新日:2026.09.08

カテゴリ:真言宗

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