基本仏具の1つでもあり御供えにもなる「仏飯器・仏器」
意味や役割と宗派による違いや選び方についても解説

カテゴリ:【 仏具 , 専門用語の解説

お仏壇に置く仏具には色々な種類がありますが、今回の仏飯器・仏器においては基本仏具の1つと言ってもいいほどに非常に大切な仏具の1つになります。

どの仏具店などでも、セット仏具という形で間違い無くセットに組み込まれますし、それほどに仏具の中においても大切で重要になります。

意味としてはその名前の通りで仏様のご飯を盛る器になります。
しっかりと役割があったり、宗派で微妙に異なったり、その仏飯器のための台や膳などがあったりと分からない方も多いかと思いますので、ここでしっかり見ておきましょう。

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仏飯器・仏器について

先ほども書いたように、仏飯器とは、仏様のご飯を盛るための器になります。
ご飯を盛るのが仏飯器、お水を入れるのが茶湯器として、仏具では多くの宗派で対のセットになります。

仏飯器と仏器は何が違うのか

名称が違いますが、意図するところは同じです。
多くの宗派では仏飯器と呼びますが、真宗大谷派では、仏飯器と呼ばずに仏器と呼ぶのが一般的です。

真宗大谷派は日本でも非常に数が多いため、仏具店では仏飯器・仏器といった表記になっている事が多くあります。

仏飯器・仏器のルールは浄土真宗系とそれ以外で異なる事が多い

仏飯器・仏器に関しては、浄土真宗かそれ以外の宗派かで異なる事が多くなります。
後述しますが、置く仏飯器の数や、場所、ご飯の盛り方など、浄土真宗系では多少異なる事があります。

特に浄土真宗系では、その中の本願寺派、大谷派によっても変わります。
そのため、自分の宗派がどこかという事をしっかりと知った上で確認するようにしましょう。

仏飯器・仏器の選び方

仏飯器においても、どう選べば良いといったルールや決まりはありません。
浄土真宗系を除いては、多くの宗派でこうすべきといったものはないため、自由に選んで問題ありません。

ですが、上記のように浄土真宗の場合は、選ぶ時にも注意が必要になります。

素材・材質について

仏飯器はその他の基本仏具と同じく、主要仏具のため非常に多くの種類が存在しています。
色々なメーカーが時代に合わせたり仏壇に合わせたりと多種多様な仏飯器を作っているので、選ぶ方も非常に悩ましいものがあります。

材質や素材については、下記にも記載の通り、様々ありますが、どれを選ばなければというものはありません。

PC/プラスチック・陶器・真鍮・アルミ・木製など仏具の素材や材質について
仏具に関しては一言で表す事が難しいほどに種類がたくさんあります。 代表的な具足関連の仏具だけでも、十数種類にもわかれ、そこに細かな仏具を入れていくと数は膨大になります。 た…

予算や耐久性、仏壇と合うかなども考えながら選ぶようにしましょう。

色について

色味についても基本的に、浄土真宗以外であれば、どういったものを選ばなければというのはありません。

実際に見てみたらわかりますが、花立や火立などと同じく、様々な色味の仏飯器が存在しています。
クリスタル、赤、青、ピンク、金、黒、白などなど、様々ありますので仏壇に合った仏飯器を選ぶようにしましょう。

浄土真宗系で、伝統型仏壇と合わせた仏具を祀るという場合は、浄土真宗 本願寺派では黒系を、真宗 大谷派では金色の仏飯器を使うのが一般的です。

その他の宗派やモダン仏壇に合わせる仏具においてはあまり色味をこうするというのは無く、皆さん自由に選ばれています。

仏飯器は何個必要なのか

これは多くの方からよくいただく質問ですが、実際にはケースバイケースとしか言いようがありません。
もっと言うと、地域やお寺によって変わってきますので、厳密にこうだということは言えません。

当然ながら、お仏壇のサイズがコンパクトなミニ仏壇で仏飯器を3つも置くというのは事実上不可能ですし、大型の本格仏壇にもかかわらず仏飯器は1個というのもあまり推奨されません。

そのため菩提寺などに相談の上決めるのが一番ですが、おおまかな目安としては下記のようになります。

浄土真宗以外の一般的な祀り方

これは多くが仏飯器を1個になります。
小型仏壇の場合は、御本尊の前などに置くスペースが無い事も多く、仏飯器と茶湯器を1個ずつというのが主流です。

向かって右側が仏飯器、左側に茶湯器を1個ずつ置きます。
仏飯器用の仏器台がありますが、これらは浄土真宗以外で今はあまり使われません。

浄土真宗以外では、仏器台ではなく仏器膳に仏飯器と茶湯器を置くのが一般的です。

基本的にモダン仏壇の場合は、サイズにこだわらず仏飯器は1つという祀り方が主流になっています。

浄土真宗以外の本格的な祀り方

仏飯器を2個というのが主流です。
真ん中に茶湯器を置き、その両脇に仏飯器を置き、台として仏器膳を置きます。

御本尊のすぐ下の段の中央に置くのが一般的です。

浄土真宗の一般的な祀り方

仏飯器は3つ置くのが主流です。
御本尊、両脇のそれぞれ前に、1つずつ仏飯器を置きます。

本願寺派なら黒の仏飯器を、大谷派なら金の仏器をそれぞれ御本尊と脇侍の前に置きましょう。

この時、台を高くするため仏器台を使って足を高くする事で、敬いの心が表れると言われています。

一般的な祀り方はこうなりますが、小型仏壇など3つを置く事が難しいサイズのお仏壇の場合は、その他の宗派と同様に1つ、2つと仏壇の大きさなどに合わせて置くようにします。

浄土真宗の本格的な祀り方

仏飯器を4つ置くのが主流になります。
本格的に祀る場合、御本尊の前の須弥壇に上卓を置き、その卓上に仏飯器を2つ置きます。

上卓の上には、本願寺派の場合は、西用の四具足と仏飯器を2個置きます。
大谷派の場合は、火舎香炉と華鋲2個と仏飯器を2個置きます。

御本尊の前に置いた上卓に仏飯器を2個それぞれ置いたら、残りの2個は両脇の前にそれぞれ1個ずつ仏飯器を置きます。
仏器台を足を高くする事で、敬いの心が表れると言われています。

ただし、ここまで本格的に祀る場合は、かなりの大型サイズのお仏壇である必要があります。
あまり一般家庭でここまで本格的に祀るお仏壇は多くないため、主流としては一般的な祀り方の御本尊と脇侍のそれぞれの前に1個ずつ置くのが一般的となっています。

仏飯器のご飯の盛り方について

仏飯器はただ置いておくだけでは意味がありません。
ご飯を盛るための器ですから、日々、しっかりと御先祖様用にご飯を持って御供えしなければなりません。

一般的に、炊きたてのご飯を盛って、毎日仏前に供えます。
ただし、この時も宗派によって、ご飯の盛り方が異なるため注意が必要です。

浄土真宗以外の宗派の盛り方

特にこう盛らなければならないといったルールはありません。
不安な方は、お寺に相談すると良いでしょう。

多くの方は普通に皆さんが食べる時と同じような感じでご飯を盛っています。

浄土真宗 本願寺派の盛り方

本願寺派の場合は、蓮のつぼみに似せた形でご飯を盛ります。
ご飯が少し小高くなった盛り方になります。

蓮のつぼみを模すため、仏飯器にご飯を載せた後、しゃもじなどの背の部分で整えて盛ります。

真宗 大谷派の盛り方

大谷派の場合は、蓮の実に似せた形でご飯を盛ります。
そのため、いわゆる円筒の形になります。

普通に盛るのが難しく、専用の盛糟(もっそう)と呼ばれる道具を使って盛るのが一般的です。
ただ、専用道具になり仏飯器のサイズにも合わないとサイズのバランスがおかしくなるため、ご自身の仏飯器のサイズに合わせた盛糟を使う必要があります。

仏飯器に盛ったご飯はどうするのか

仏飯器にご飯を盛った後、そのご飯はどうするのか?という事もよく聞かれます。
これは、捨てたりせずにそのまま自分達で食べるようにします。

一般的には朝に炊いたご飯を御供えし、朝食後から昼前までには下げて、家族でその後にいただきましょう。

今の時代に合った盛り方や祀り方

そうはいっても、当たり前に仏壇が家にあった時代では今はありません。
小さい頃から仏壇を全く見ずに育ったという人も多いくらいです。

また、食生活も昔と違い欧米化しており、朝食に和食ではなくパンを食べるという家庭も増えてきています。
毎朝、ご飯を盛るためだけにご飯を炊くのかといった事で悩む方もいます。

この時、大切なのは形式にこだわる事ではなく、心の持ち方です。
心がこもっていないただ形式に沿った供養と、形式にはこだわっていないけれどもしっかりと心がこもった供養。

どちらが良いかと言われれば一目瞭然です。

もちろん、形式や伝統のルール的なものは大切です。
ですが、それ以上に大切なのは、しっかりと先祖を敬う気持ちや心の持ち方です。

朝はご飯を食べずパンを食べているという場合は、夜のご飯を御供えするというのでも問題ありません。

また、時間があまり取れずに毎日ご飯を御供えできないという方は、疑似盛りご飯なども仏具として販売されています。
料理店のメニューのように、盛ったご飯を仏飯器の上に置けるように作られたものもあります。

もちろん、しっかりと毎日ご飯を御供えできるのが一番です。
それができないならできない自分の中でできる事をしっかりやって心のこもった供養を心がけましょう。

また、仏飯器に関しては地域やお寺の方針などで異なりますので、しっかりと確認してすすめていくようにしましょう。


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