ロウソクや線香で火や灰を取り扱うからこそ、
経机や膳引用に防炎加工済みの掛け・敷きを使う

  • 2017.04.28
  • 2026.09.08

仏具

以前に経机に関する解説を行いました。
その経机ですが、上置き仏壇などの小型仏壇を置くご家庭ではあまり使われないかもしれませんが、大型仏壇を置くご家庭では使っているという方も多いかと思います。

そんな経机ですが、実際には経机や御供机を単品で購入するのではなく、安心・安全のためにも一緒に経机用の防炎加工された経机掛けを合わせるのがおすすめです。

ところで、仏壇まわりで敷くものは経机掛けだけではありません。
仏壇の下、台の天板の上、仏壇の中と、敷く場所ごとに別の道具があり、呼び名も目的も変わってきます。

どこに何を敷くのか、先に整理しておきます。

敷く場所呼び名目的
経机・膳引きの上経机掛け・経机敷き火や灰から守る、天板の傷を防ぐ
仏壇と台(タンス・仏壇台)のあいだ仏壇敷・養生マット台の天板の傷、滑り止め
仏壇と床(畳・フローリング)のあいだ置き畳・薄手の敷物畳のへこみ、床の傷、湿気
仏壇の中(お供えをのせる台の上)打敷(うちしき)お飾り。法要のときに掛ける

この記事で中心に扱うのは、いちばん上の経机掛けです。
仏壇の下や台の上に敷くものについては、記事の後半で詳しく解説します。

地震などの万が一のため。火や灰から火事を防ぐ

仏壇に仏具を置き、ご飯を盛って、ロウソクや線香に火を灯してと毎日のお参りなどをしている方は多くいらっしゃいます。

この時、1つだけ気をつけていかなければならないのが、「火を扱う」という点です。ロウソクや線香に火を付けるという事は、悪く言ってしまえば、火事の恐れが少なからずあるという事です。

特に、ここ日本は地震大国でもあります。
小さな地震で仏壇などはびくともしなかったとしても、置いているロウソクや線香が下に落ちてしまうといった事は十分にあり得ます。

そのためにも、しっかりと予防しておく必要があります。

今ではサイズも柄も豊富に安く用意されています

仏具の経机用のマットは、一般的に経机掛けと呼ばれたり、経机敷きと呼ばれています。多くは、火を取り扱うという事もあって、防炎加工が施されていますが、必ず防炎加工がされているかは事前に確認しておきましょう。

経机掛け・経机敷きというのは、その名前の通り経机の天板の上に敷くマットで、火立てに置くロウソクや、香炉に立てた線香の灰が落ちたとしても仏壇を焦がしたり、火事にならないように守るための仏具で今となっては必須と言っても過言ではありません。

防炎加工がされていない布製のものだと、ロウソクが倒れたり、線香の灰が落ちた事でより燃えやすくなってしまう恐れがありますので防炎加工は必須になります。

経机掛けには、それぞれの経机の型に合わせて用意されていますので、その中から経机に合ったサイズを選ぶことになります。

多くが、唐木型、中京型、若葉型と3種にわかれます。
唐木型がいわゆる一般的な経机タイプで、中京型は金仏壇用の塗型の経机、若葉型は金仏壇の装飾の派手な金・朱の経机用になります。

モダン仏壇に合わせた無地やグレーなど、落ち着いた色柄のものも選べるようになりました。サイズがうまく合わないときは、はさみで切って使えるフリーカットのタイプもあります。

経机掛けはサイズと素材と防炎の表示を見て選びます

経机掛けのサイズは天板を測って一回り小さめを選びます

型が分かれば、あとはサイズを合わせるだけになります。
ただ、型の名前だけを頼りに選ぶと、思っていたより大きなものが届くことがあります。

大きすぎるマットは仏壇の扉に当たったり、端が浮いて仏具が引っかかる原因にもなります。まずは経机の天板の縦と横をメジャーで測り、その寸法より一回り小さいものを探しましょう。

経机の号数は、天板の横幅を表しています。
型ごとに用意されている号数と、その目安の寸法は次のとおりです。

型号数の範囲目安の寸法
唐木型14〜25号23.3×35.7cm〜42.0×66.0cm
中京型14〜25号22.4×32.7cm〜38.7×60.0cm
若葉型18〜30号26.0×46.0cm〜37.0×77.0cm

なお、この分け方は業界で統一された規格というわけではありません。
塗りの経机を新型と呼ぶお店もありますし、同じ横幅60cmのものを22号と呼ぶお店と23号と呼ぶお店があります。

型の名前や号数が合わないときは、実寸で問い合わせるのが確実です。

素材と値段はどれくらいが目安になるのか

経机掛けの素材は、ざっくりと大きく分けると2種類になります。
1つはガラス繊維やビニール系の素材を使ったもので、灰や水滴を拭き取りやすく値段も抑えめです。

柄の種類こそ多くありませんが、毎日灰がこぼれる机には向いています。

もう1つは金襴(きんらん。金糸を織り込んだ豪華な織物です)などの布地に、防炎の加工をほどこしたものになります。
仏壇の中の雰囲気に合わせやすく、見た目から選びたい方に選ばれています。

値段は2026年8月時点で、おおよそ1,000円台から数千円といったところでしょうか。金襴の上等なもので5,000円〜8,000円ほど、仏間に敷く大判のものになると1万円〜3万円ほどのものもあります。

毎日火を使う場所に敷くものですから、無理のない範囲で選べば十分です。

「防炎」と「難燃」は何が違うのか

商品を見ていると、防炎と書かれたものと難燃と書かれたものが並んでいて迷うことがあります。

防炎というのは、燃えないという意味ではありません。
東京消防庁の説明では、小さな火が触れても繊維が燃え上がらず、火が付いても燃え広がりが少ない性能のことを防炎と呼んでいます。

参考)東京消防庁「防炎とは」

分かりにくいのは、ここから先の法律の話です。
東京消防庁が示している防炎対象物品の一覧を見ると、消防法が義務づけているのはカーテンやじゅうたん、工事用のシートといった品目で、経机掛けや仏壇用のマットはそこに入っていません。

そもそも義務がかかるのは、劇場やホテル、高さ31mを超える建物といった、多くの人が出入りしたり避難に時間がかかったりする建物です。
ふつうの住宅で使う仏壇まわりのマットは、この義務とは別のところにあります。

参考)東京消防庁「防炎対象物品」

そのかわりに用意されているのが、公益財団法人日本防炎協会が認定する防炎製品という仕組みになります。
自主的な認定ではありますが、対象になる品目の中にマット類が含まれています。

しかしながら、お店ごとに表示の仕方には幅があります。
同じような用途の商品でも、防炎と書かれていたり、難燃、防火と書かれていたりするのはそのためです。

言葉の違いで見比べるより、商品説明に書かれている中身と、防炎製品のラベルがあるかどうかを確かめるほうが分かりやすくなります。
表示がそろっていないだけのことですので、そこさえ見ておけば迷わずに選べます。

お手入れで気をつけたいこと

意外と見落とされやすいのが、布地に防炎の加工をしたタイプのお手入れです。
薬剤をしみ込ませて燃え広がりにくくしているものが多く、水洗いや洗濯をすると加工が落ちてしまうことがあります。

仏具用の経机掛けでも、水洗いはできませんと書かれている商品は珍しくありません。

普段の灰は、粘着式のカーペットクリーナーやエチケットブラシ、掃除機で取り除きます。染みのような汚れは、固く絞った布で表面を軽く叩くようにして拭き取りましょう。

一方、ガラス繊維やビニール系のものには、そのまま拭き取れるタイプが多くなっています。手入れの仕方は素材で変わってきますので、買ったときの説明書きを一度確かめておくと安心です。

防炎の加工は、永久に効き続けるというものではありません。
焦げ跡が目立ってきたり生地が薄くなってきたら、新しいものに替えてあげましょう。

敷いて守るのと合わせて、火そのものの扱いも見直しておくと安心です。
ロウソクや線香で気をつけたい点は、下記の記事にまとめてあります。

お仏壇の火事対策 - 気をつけるべきポイントや仏具の選び方
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経机掛け・敷きは経机の天板の傷予防にもなる

経机は多くが木製になります。
木製のため、少し尖ったものでこすったりすれば、当然ながらすぐにスリ傷が付いてしまいます。

そして、仏具には以前にも書いたように、真鍮製があったりします。

PC/プラスチック・陶器・真鍮・アルミ・木製など仏具の素材や材質について
仏具に関しては一言で表す事が難しいほどに種類がたくさんあります。 代表的な具足関連の仏具だけでも、十数種類にもわかれ、そこに細かな仏具を入れ …

真鍮製の仏具をそのまま置いて、少し配置をずらそうと持ち上げずに移動をしてしまえば、当然真鍮製のため、経机に傷を付けてしまう事になりかねません。

経机掛けを経机に敷く事は、火事などの予防だけでなく、こういったせっかく買った仏具に傷を付けてしまうといった事の予防にもなります。

経机掛けは経机専用というわけではない!できるなら膳引きにも

経机掛けという名前の仏具になるため、つい経机専用という思い込みをしてしまいがちですが、経机用というだけで、専用なわけではありません。

そのため、管理人的には経机だけでなく、同じように膳引きにも置く事をオススメしています。膳引きも、経机と同様にスライドさせて多くの仏具を置きますし、場合によっては火立や香炉を置くことも多いです。

特に上置仏壇などの小型タイプのお仏壇の場合は、経机を持たずに膳引きに仏具を祀る事が多いですから、膳引きに傷が付きやすくなりますし、万が一にロウソクが倒れたり、線香の灰が落ちた場合の火事の危険性などもあります。

そのため、経机だけではなく膳引きなどにも掛け・敷きを置いておくと安心です。
経机ではなく膳引きに置く場合は、少し薄目の生地にしたほうが、安定感もありおすすめです。

厚みのあるものを避けたいのには理由があります。
分厚い生地を掛けると膳引きを引き出すときに引っかかったり、途中でよれてしまうことがあるからです。

買うときに「膳引にも使える」と書かれているものを選べば、この心配はほとんど残りません。サイズは、上置き仏壇の膳引きであれば奥行き10〜13cm、幅は24cm・30cm・39cmあたりがよく出ています。

とはいえ膳引きの寸法は仏壇ごとに変わってきますので、手元の仏壇の数字を確かめてから選びましょう。

せっかくの仏具ですから大切に使い、万が一の火事や傷が付く事のないよう予防し安心安全に使っていけるように、経机掛け・敷きを忘れる事無く用意しておきましょう。

仏壇の下や台の上に敷くものは、経机掛けとは別のものです

ここまでは、経机と膳引きの上に敷くものを見てきました。
仏壇まわりで敷くものはそれだけではなく、仏壇の下に敷くものを探してこの記事にたどり着いた方もいらっしゃるかもしれません。

同じ敷物でも、守る相手が床なのか台の天板なのかで、選ぶものはずいぶん変わってきます。

タンスや仏壇台の上に置くときに挟む「仏壇敷」

上置き仏壇をタンスやチェスト、仏壇台の天板に直に置いているご家庭は多いです。
そのままにしておくと天板に傷が付きますし、地震のときに滑って落ちてしまうことも考えられます。

そこで仏壇と天板のあいだに挟むのが、仏壇敷や養生マットと呼ばれるものになります。小型の仏壇に合わせて作られていて、滑り止めの加工が付いたタイプも見かけます。

もう少し丁寧にするなら、敷台(しきだい)という仏具を使う方法もあります。
仏壇を一段高くしてくれるもので、掃除機の柄が仏壇に当たるのも避けられます。

なお、市販の耐震ジェルマットで代用する場合は、説明書を一度読んでおきましょう。製品によって、使える面や素材に決まりがあります。

仏壇を置く台そのものをどう選ぶかは、こちらが参考になります。

仏壇専用台はどんな時に使って必要?選び方と普通の家具ではダメなのか
お仏壇店に行くと、お仏壇と同じような色合いなのに、何の装飾もなく鏡もない化粧台のようなサイズの台を見かけることがあります。 これらは仏壇専 …

畳やフローリングに直に置くときに気をつけたいこと

台の付いた仏壇は、大きなものになると重さが数十キロになります。
畳の上に長く置いていればへこみや跡が残りますし、フローリングでも傷が付くことがあります。

床を守るために何かを挟むなら、薄手のものを選ぶのが基本になります。
厚みのあるカーペットやマットは沈み込みやすく、仏壇のぐらつきの原因になることもあります。

畳の場合、もう1つ気にかけたいのが湿気です。
畳は空気中の湿り気を吸ったり吐いたりしていますので、全体を覆ってしまうとその働きが弱まります。

敷くのは仏壇の面積のぶんだけに留めて、敷きっぱなしにせず、ときどき外して掃除機をかけると畳も傷みにくくなります。

床暖房の入った部屋では、直に置くのを避けたいところです。
下から熱が伝わり続けると、木が乾いて反ったりひび割れたりする事があります。

そういう場所には、置き畳を1枚挟んで熱をやわらげる方法がよく取られます。
仏壇の下に敷く置き畳は、厚みが3cmほどのものが扱いやすいと言われています。

このとき、仏壇の幅より置き畳が大きすぎると、はみ出した縁が押しつぶされてしまいます。畳屋さんに作ってもらうときも、まずは仏壇の寸法を測って伝えましょう。

仏壇の中に敷く打敷は、火よけとは役割が違います

仏壇の中で、お供えをのせる卓(じょく)に掛ける三角や四角の布は、打敷(うちしき)といいます。

火や灰から守るためのものではなく、お盆やお彼岸、法要のときに仏壇を整えるお飾りの仏具になります。

打敷の形や宗派ごとの違いについては、こちらで詳しく解説しています。

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敷いてはいけないという決まりはありません

畳の上に直に置いていいのか、敷物を敷くのは失礼にあたらないか、と気にされる方がいらっしゃいます。
結論を先に述べておくと、敷いてはいけないという決まりはありません。

全日本宗教用具協同組合も、畳の部屋に仏壇を安置している家はたくさんあり、まったく問題はないと説明しています。仏壇店の側はむしろ、床に直に置くのではなく、専用台や敷台にのせて一段高くする置き方をすすめています。

フローリングの冷たいところに置くのが申し訳ない気がして、仏壇の下だけ畳を敷くという方も少なくありません。これは宗教上の決まりではなく、お参りする方のお気持ちから出てくるものになります。

床を守るために敷くのも、気持ちの上で敷くのも、どちらもその家のお参りの形と言えます。正解が1つに決まっているわけではありませんので、住まいに合った置き方を選んで大丈夫です。

仏壇まわりの敷物は、置く場所ごとに役割が分かれています。
経机や膳引きの上なら経机掛け、台の上なら仏壇敷、床の上なら薄手の敷物や置き畳になります。

どれを選ぶときも、はじめに寸法を測っておくと迷いがぐっと減ります。
火の近くに敷くものについては、商品説明と防炎のラベルを見ておけば心配はいりません。

毎日手を合わせる場所ですから、気持ちよくお参りできる形に整えてまいりましょう。

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  • 公開日:2017.04.28
  • 更新日:2026.09.08

カテゴリ:仏具

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