実はお仏壇に使われる木材は多岐に渡る!
紫檀黒檀やウォールナットなど木材の特徴を解説

カテゴリ:【 仏壇

お仏壇に用いられる木材には、様々な種類があります。
しかしながら、素人目にはどの木材がどれくらい希少でどれくらいの価値があるのか、さらには耐久力がどれくらいかというのは分かりません。

お仏壇を初めて購入するという場合は、少しでも多くの情報を手に入れたいはずです。
そこで今回は、お仏壇を製造する際に使用する、主要な木材についてご紹介していきます。

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お仏壇の木材は非常に多岐に渡る

お仏壇の木材の種類を知る前に、まずは今のお仏壇の木材をとりまく環境について知っておいて欲しいと思います。

お仏壇で使われる木材は、昔や今で多岐に渡ります。
また、過去に色々な悪徳業者がはびこった経緯もあり、今では品質表示や何の木材をどう表記するかというのもある程度のルール化がされてきています。

しかしながら、その表記などは、あくまでも任意団体が決めたものです。
法律によって、こうしなければならないといったルールが決まっているわけではないので注意が必要です。

拡大表記と未記載に注意

もちろん、使っている木材を嘘を付いて誤表記をすれば犯罪です。
しかしながら、悪徳業者は、そういったところを巧妙に、そしてうまく利用しようとします。

それが、「拡大表記」と書かないという「未記載」になります。
もちろん、今ではこういった事をする業者は淘汰されいなくなってきていますが、それでも注意だけはしておきましょう。

こういった事もあるという事を知っているだけでも、予防できたりします。

拡大表記

例えば、極々一部分にだけ、その木材を使っていた場合、あたかもそれで作られたかのように書かれる場合です。

正確な材質表記などには記載されず、主に、○○使用!と書かれたりする場合は少し注意が必要です。

店からすると嘘は言ってません。
しっかり仏壇の一部分には○○の木材を使っているので、○○使用と言っても嘘ではありません。

ですが買う側からすると、そう書かれると○○で作られたお仏壇なんだなと思ってしまいがちですから、しっかり注意しましょう。

未記載

これはもうそのままです。
あまり書かれず、きたお客様に口頭や証拠に残らない形で教えたりするパターンです。

今はネットショップなども主流になっているため、材質などの表記をするところが一般的になりました。
そのため、しっかり証拠として残るので未記載、口頭のみというのはあまり見られません。

極端な話をすると、書いたりしてしまうと証拠になりますが、口頭であれば言った言わないの水掛け論のため証拠になりにくくなるため、騙しやすいという事もあるので注意しましょう。

仏壇に使われる木材の種類と特徴

とりまく環境を知ったら、改めて木材を見て行きましょう。
使われる木材の代表的なものをここに記載してみました。

ただ、注意しなければならないのが、同じ木材でも当然ながらランクがあります。
木目や木のどの部分を切り取ったものなのかなどなど、同じ木材でも値段が大きく変わる事もありますから、注意しましょう。

あくまでも、こういった木材はこういう特徴を持ちますといったイメージで読んでいただければと思います。

紫檀

分類 マメ科ツルカイサチ属
原産地 タイ、ベトナム、ラオスなど

日本では、「三大唐木」と呼ばれる銘木がありますが、この紫檀がその1つに当たります。
ちなみに、紫檀・黒檀・鉄刀木を指して「三大唐木」と呼ばれます。

硬質で緻密なため、水に沈むものがあるほどです。
紫檀を用いた工芸品自体は古くから存在し、現在でも宝物として残っている骨董品も数多く見られます。

独特の縞模様があり、色合いは赤褐色~黒色です。
乾燥にはやや弱いところがありますが、高温多湿の日本においてはそれほど問題になりません。

また、腐りにくいため耐久性は極めて高いという特徴があります。
そのため、紫檀を用いた仏壇は基本的に高めのお値段設定となっており、100万円近い値段のものも珍しくありません。

お仏壇において紫檀として使われている木材の種目は、本紫檀、手違紫檀、ローズウッド、パーロッサなどがあります。
仏壇の材質に書かれる場合、本紫檀、紫檀系(パーロッサ)などと書かれる事が多いです。

黒檀

分類 カキノキ科カキノキ属
原産地 インド南部、スリランカなど

こちらも古くから三大唐木としてよく知られています。
別名「木のダイヤモンド」と呼ばれ、希少性があり大変高価なものとされています。

こちらも硬質で、水に沈むほど緻密です。
耐久性も極めて高く、色合いは黒色なのが特徴です。

お仏壇において黒檀として使われている木材の種目は、本黒檀、縞黒檀、青黒檀、斑入黒檀などがあります。

中でも、インド・スリランカで採れる黒色の木が本黒檀と言われます。
さらにその中から選ばれ、最高級とされているのが青黒檀で、こちらは幻の銘木と称されています。

現在では乱伐により絶滅のおそれがあるため、ワシントン条約で原木の伐採が禁止されているため、まず入手は難しいでしょう。

安い黒檀仏壇はあり得ないため、激安価格の黒檀などには注意しましょう。
もし使われていたとしたら、とてつもない値段になりえる素材ですし、在庫の有無と本当に黒檀が使われた仏壇かどうかを改めて確認しましょう。

鉄刀木(たがやさん)

分類 マメ科(ジャケツイバラ亜科)
原産地 タイ、インド、ミャンマー、インドネシアなど

こちらも三大唐木の1つで、読み方がわからないなど漢字テストなどでもよく出たりします。
本鉄刀木というミャンマーなどから採れるものは、かなりの希少材です。

濃褐色の独特な柾目の模様が美しいことで知られます。
黒檀や紫檀にはない重厚さが人気です。

鉄刀木と呼ばれるようになった理由は、その材質にあります。
「鉄の刀」と称されるほど固く、のこぎりで切るのも大変です。

水にも沈み耐久力があり腐りにくいため、「長く家が栄える(続く)ように」という願いを叶えるシンボルとして、床柱に用いられることもあります。

しかし、乾燥には弱く、ヤニが出る特性を持ち、製材後に変色します。
そのため、漂白をする必要があり、加工には手間がかかります。

代用材として、ウエンジという木材を用いることもあります。
こちらはアフリカ原産の木材で、衝撃・曲げに強い特性があります。

本鉄刀木の仏壇も今では減少傾向にあり、やはり価値が高くなってきていますので、購入の際は産地やメーカーをしっかりと確認しましょう。

欅(ケヤキ)

分類 ニレ科ケヤキ属
原産地 日本など

お仏壇に限らず、建築材、箪笥やお椀などに用いられ、神社仏閣にも使用されているメジャーな木材です。
日本では古くから親しまれている銘木で、光沢と美しい木目に反する硬さと重量を持ちます。

特徴の1つとして、伐採して乾燥するまでに大きく曲がる性質があります。
そのため、材料として使用できる状態になるまでには、半年~数年寝かせる必要があります。

現在では、比較的高価な材料として扱われています。

ウォールナット

分類 クルミ科クルミ属
原産地 北アメリカ、カナダなど

ヨーロッパでは家具材として重用され、昔から人気があった木材の1つです。
モダン仏壇・家具調仏壇の台頭と併せて、洋間に置いても違和感の無いよう、ウォールナットが使用されるようになりました。

材狂いが少ないため加工がしやすいのが特徴で、比重が軽いのに強度があります。
粘りがあり、衝撃にも強い良質の素材です。

木目がきれいに映え、スモーキーな優しい色合いが心を和ませてくれます。
お値段も商品によって幅がありますが、比較的価格を抑えて作れるとしてモダン仏壇などでは主流の1つとなっています。

ナラ

分類 ブナ科コナラ属(正式名はミズナラ)
原産地 日本など

北は北海道、南は鹿児島まで、日本全土の山地に生えています。
ブナとともに、冷温帯を代表する落葉樹で、明るい場所を好んで大きく成長し、樹高は30m以上に達します。

樹皮は灰褐色をしており、強度はあるのですが縦に不規則な割れ目が入りやすく、剥がれ落ちやすいのが特徴です。
辺材と心材の境目が色によってはっきりしており、辺材は淡い紅色を帯びた白色、心材はくすんだ淡い褐色となっています。

伸び縮みしやすい性質を持っているため、乾燥させる際は反りに注意する必要があります。
また、まっすぐに通った木目に斜めに入った、虎斑(とらふ)と呼ばれる独特の紋様が見られますが、これは傷ではありません。

北米に産するオークが類似種になり、その木目の美しさから、お仏壇はもちろん、床材・化粧用単板・合板・器具・船舶用材・薪炭と様々な用途に用いられます。
主に家具材などに重用されてきた歴史があります。

タモ

分類 モクセイ科トリネコ属
原産地 日本など

お仏壇だけでなく、神棚や祖霊舎などに使われることも多い木材です。
野球のバットやテニスのラケットなど、木製のスポーツ用品として使用されている素材でもあります。

家具や日用品として加工されることもあり、幅広い用途に用いられます。

材質は弾力性を持っていながら、固さと粘りを兼ね備えています。
木目はやや細かく、はっきりしているのが特徴です。

楡(ニレ)

分類 ニレ科ニレ属
原産地 日本・中国など

先にご紹介した欅(ケヤキ)の代用品として用いられます。
比較してみると柔らかく、お仏壇に使用するのに乾燥させる際は、乾燥速度を調整する必要があります。

乾燥中に木材の中が割れる「中割れ」という現象も起きやすいため、取り扱いには慎重さが必須です。

芯材は暗褐色、辺材は褐色を帯びた灰白色をしており、境界はハッキリしています。
腐蝕に強いとは言われていますが、それほど耐久性が強い木材ではありません。

ただ、それなりに固く割れにくいことから、お仏壇の素材としては一定のニーズがあります。

ニレは比較的価格を抑えてつくる事が可能で、小さめのお仏壇などには特に人気が高かったりします。
また、漢字だけで書かれてしまうと、先ほどの欅や、檜などと似ているためたまに勘違いしてしまう方がいますので、見間違い・読み間違いがないか少し注意しましょう。

タウン

分類 ムクロジ科
原産地 ニューギニア・ソロモン諸島など

タウンという名はあまり知られていませんが、パプアニューギニアでの呼称です。
太平洋地域の市場材としては知名度の高いものの一つで、日本の市場へ輸入されるものの中では1位を占めている木材です。

大量には得られませんが、仕上がった材面がよいことなどから、家具材として利用されていた経緯があります。
そのため、家具調仏壇とも相性が良く、高級仏壇の芯材として用いられるケースもあります。

心材は桃褐色~赤褐色で、辺材はやや淡色に見えます。
肌目はやや粗く重硬な木材のため、釘を打ち込んだ際に損傷が出やすく加工には工夫が必要です。

オーク

分類 ブナ科(落葉広葉樹)
原産地 北アメリカ、カナダなど

日本でいうナラが類似種になり、主にお仏壇に使用されるのは、レッドオーク・ホワイトオークです。
色は黄褐色、淡赤褐色が特徴で、レッドオーク・ホワイトオークともに北アメリカからの輸入が多いです。

木質は重くて堅い、強い木材です。
そのため、乾燥・切削などといった加工はやや困難を伴います。

木肌は粗めですが、塗装する際は広範囲な色調が可能で、着色して使われる例もあります。
急激な乾燥を行うと、細かなひび割れや反りが出やすいため、乾燥には注意が必要です。

耐水湿性をある程度備え、衝撃にもそれなりに耐えます。
お仏壇以外では、家具・内装造作材などに用いられ、ホワイトオークはウイスキーの樽にもなります。

花梨

分類 マメ科シタン属
原産地 タイ、ミャンマー、フィリピンなど

古くから高級家具や楽器などに用いられ、世界的に認められています。
強度は非常に硬く、とても木肌の美しい表面を持ち、磨けばきれいな光沢が出ます。

非常に耐久性の高い素材と言えるでしょう。
色は紫檀に似ており、赤みがかった色~黄色まで産地によって幅があります。

いずれも美しい木目が特徴で、まるで宝石の原石のように見えます。
多くの塗料と相性が良く、接着性も良いことから、お仏壇を作るのにも適しています。

東南アジアでは、生活のために乱伐されたことで良材の入手が困難になっています。
日本への流通も減少しており、値段が高騰することを理由に投機目的で扱われている可能性もささやかれています。

余談ですが、バラ科のカリンという品種は、ここで紹介したものとは別の品種です。

お仏壇の材質について

材質は最初にも書いたように様々な材質が今では存在します。
昔では加工技術が足りなく、使えなかった木材も今では使えるようになってきたりもしています。

今回は主要なものに絞ってご紹介してきましたが、それでも取り扱いの数の多さに驚かれたかもしれません。
他にも数多くの高級木材が存在しますが(例えば白檀など)、お仏壇に使用するには数が足らず、仏像などの製作分にしか回せない素材もあります。

また、産地などを見てもわかるように、主に今では海外から仕入れてるものになります。
そのため、いわゆる「純国産」というものは難しいというのもわかるかと思います。

日本における国産仏壇の定義は、ちょっと変わった決められ方をしています。

お仏壇の国産と外国産。国産や日本製の定義はどう決められているのか
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お仏壇というのは、それだけ希少価値のある素材で作られた、一種の文化であることがお分かりいただけると思います。
お仏壇をお店で選ぶ際は、一つひとつの素材が持つ特性を頭の片隅に入れておくと、なぜそのような値段になるのかを判断する際の目安になります。

家庭の雰囲気に合ったお仏壇を選びつつ、後悔なく長く使えるものをお選びください。


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