宗派がわからない時の調べ方について。
仏壇・位牌・お墓で確かめる5つの方法を解説

  • 2026.08.27
  • 2026.09.08

宗派の解説

仏壇や位牌を用意する段階になって、うちは何宗だったっけ…?というところで手が止まってしまうことがあります。親から聞いた覚えはあるものの、はっきりとは思い出せないまま話だけが先に進んでいくのは落ち着かないものです。

宗派がわからないまま位牌を先に作ってしまうと、後から作り直すことになる場合があります。

間違えたくないという気持ちは、決して大げさなものではありません。
ここでは家の宗派の調べ方と、宗派が決まらないうちにどこまで仏壇や位牌の準備を進めていいのかを見ていきたいと思います。

そもそも宗派とは?宗旨との違いと、わからないと困ること

和室の隅に置かれた扉を閉じた小さな家庭用の仏壇に、朝の光がやわらかく当たっている写真

宗派という言葉は日常でそれほど使わないため、まずは宗旨との違いから整理しておきましょう。

宗旨と宗派は指しているものが違う

宗旨とは、仏教・神道・キリスト教といった宗教の教えそのものを指します。
一方の宗派は、同じ仏教の中で解釈や作法の違いから枝分かれしてきた部分にあたります。

うちは仏教だけれど何宗かは分からない、という状態は、宗旨は分かっていて宗派だけが分からない状態です。仏壇や位牌の話でつまずくのは、たいていこちらの方になります。

ややこしいのは、霊園の案内などで見かける「宗旨・宗派不問」という言い方です。
こちらは受け入れの条件を表していて、仏教であればどの宗派の方でも申し込めますという意味で使われています。

どんな宗教の方でも申し込める場合は「宗教自由」「宗教不問」と書き分けられていることが多く、宗旨・宗派不問とは意味が違います。

宗派が決まらないと、仏壇選びのどこで止まるのか

結論を先に述べておくと、止まるのは御本尊と位牌のところです。

仏壇本体の大きさや置き場所、予算、それに三具足(花立・火立・香炉)といった基本的な仏具あたりは、揃え方さえ決めれば宗派が分からなくても決めていけます。

言い換えれば、宗派が確定するまで待たなければならない工程は限られています。
どこまで進めていいのかは記事の後半で詳しく解説しますので、まずは調べ方から見ていきましょう。

家の宗派がわからない時の調べ方

木のテーブルに白紙の手帳とペン、画面を消したスマートフォンが並び、奥に家庭用の仏壇がぼんやりと写っている写真

確かめ方は大きく5つあり、上に来るものほど確実性が高くなります。
どれか1つで決めきろうとせず、手がかりを重ねて突き合わせるのが確かな進め方です。

菩提寺に聞くのがいちばん確実

菩提寺に電話をして、何宗でしょうかと尋ねれば、それで話は終わります。

お寺の方にとっては日常的に受けている質問なので、こんな事聞いても失礼に当たらないかなど身構えることはありません。

困ったら菩提寺に、という案内は宗派の側からも出ています。
天台宗はQ&Aの中で、仏壇に祀る本尊について菩提寺に相談するようすすめていますし、曹洞宗も仏壇の準備は菩提寺に相談するのがよいと答えています。

お寺の名前しかわからない時は、宗派の寺院検索から引く

菩提寺の名前は分かるのに宗派が分からない、というケースも少なくありません。
その場合は、宗派の側から寺名を引くという手が使えます。

浄土宗と曹洞宗は、公式の寺院検索に寺名をそのまま入れて探せます。
日蓮宗は全寺院のマップが都道府県ごとの一覧なので、お寺のある県のページから名前を拾っていく形です。

浄土真宗本願寺派と真宗大谷派は、宗派全体をまとめた検索ではなく教区の教務所ごとの案内になっています。
お寺のある地域の教区からたどることになるので、少し手間はかかります。

見つかった寺院のページには連絡先も載っています。
そこから直接電話して確かめるところまで進めば、ひと続きの流れで片が付きます。

親族の年長者に聞く

菩提寺に心当たりが無ければ、次は親族に聞く番です。
年代が上の方ほど法事に出た回数も多く、宗派を覚えている可能性が高くなります。

順番としては、父方の本家や年長の親戚から当たっていくのが現実的です。
お寺との付き合いは家の単位で続いてきたものなので、本家をたどると分かることが多くなります。

ただ、聞ける相手がいないという状況も実際にあります。
分家で仏壇も墓も無く、手がかりが何も手元に無いところから始まる方もいらっしゃいます。

そういう場合に何ができるのかは、記事の最後で改めて解説します。

仏壇の中を見る(御本尊と脇侍)

手元に仏壇があるなら、中を見るのがいちばん情報量の多いやり方になります。
見るところは、最上段の中央に祀られている御本尊と、その左右に掛かっている脇侍(お脇掛)です。

御本尊が仏像なのか掛け軸なのか、掛け軸なら何が描かれているのかを確かめます。
脇侍については、向かって右と左にそれぞれ何が掛かっているかをメモしておきましょう。

ここまで分かれば、後の早見表と突き合わせられます。
写真を撮っておくと、後から誰かに見てもらう時にも役立ちます。

仏壇そのものの見た目も手がかりの一つです。
内側に金箔がふんだんに使われた金仏壇は、浄土真宗系の家で使われている可能性が非常に高くなります。

位牌・過去帳・法名軸を見る

位牌については、まず有るか無いかが大きな手がかりになります。
浄土真宗は本願寺派・大谷派とも位牌を用いないと、両本山が公式に説明しています。

本願寺派は、位牌の代わりに過去帳を用いると案内しています。
浄土真宗では戒名と言わず法名と呼び、その法名を書いて仏壇の脇に掛ける軸が法名軸です。

この法名軸も、位牌に代わるものとして用いられます。
位牌が見当たらず、過去帳や法名軸だけが置かれているようなら、浄土真宗系の可能性が高いと考えられます。

とはいえ、過去帳そのものは浄土真宗だけのものではありません。
本尊の一段下の中央に過去帳を置き、その両脇に位牌を並べる形は他の宗派でも示されています。

位牌があるなら、表に彫られた文字を読んでみましょう。
末尾に信士・信女・居士・大姉といった位号が入っていれば、そこから言えることがあります。

築地本願寺は帰敬式の案内で、法名に位号は用いないと明記しています。そのため、位号が付いている時点で浄土真宗ではない、という消去法が成り立ちます。

なお、位牌の上部に入る梵字も、宗派で変わります。ただ、天台宗のようにアとする説明とキリークとする説明の両方があるものもあるので、ここは菩提寺に確かめるのが確実です。

お墓の墓誌を見る

お墓で見るべきなのは、正面の刻字よりも墓誌の方になります。
墓誌に彫られた戒名や法名を読めば、位牌と同じ手順で絞り込んでいけます。

というのも、正面の文字は宗派の判断材料としては弱いからです。
墓石に刻む言葉に基本的な制限やルールはありません。

家名を彫るお墓も、名号やお題目を彫るお墓も、どちらもよく見られる形です。浄土真宗本願寺派でも、お墓の形や文字にこうしなければならないという決まりは無いと明記しています。

正面の刻字から言えるのは、南無阿弥陀仏や倶会一処が彫られていれば浄土宗か浄土真宗系の可能性が高い、というところまでです。宗派ごとの刻字の傾向はありますが、そのとおりに彫られていない墓も普通にあります。

家名だけのお墓は珍しいものではありませんし、宗派を確かめる手がかりは墓誌の方に残されています。

主要8宗派の御本尊・脇侍・戒名の早見表

扉を開いた家庭用の仏壇の上段を正面から写し、中央と左右に無地の掛け軸が三幅並んでいる写真

ここまでで集めた手がかりを突き合わせるための一覧です。
仏壇の中と位牌、お墓で見てきたものを、横に並べて見比べてみましょう。

宗派御本尊脇侍(お脇掛)戒名・法名の特徴墓石に刻まれることが多い言葉
浄土宗阿弥陀如来向かって左に法然上人、右に善導大師院号・誉号・戒名・位号。誉の字が入ることがある南無阿弥陀仏、倶会一処
浄土真宗 本願寺派阿弥陀如来の絵像、または南無阿弥陀仏の六字名号向かって右に親鸞聖人、左に蓮如上人。名号の軸の場合もあり戒名ではなく法名。釋を冠した漢字二字で、位号を用いない。位牌ではなく過去帳南無阿弥陀仏。決まった形は無いと公式に明記
真宗 大谷派阿弥陀如来の絵像向かって右と左に名号の軸。または右に親鸞聖人、左に蓮如上人法名。釋または釋尼を冠する。位号や階級の別が無い。位牌を用いない南無阿弥陀仏、倶会一処
真言宗大日如来。寺院の本尊はさまざまと公式に明記向かって右に弘法大師、左に不動明王。智山派などは左に興教大師の場合も院号・道号・戒名・位号。上部に梵字のアを入れる梵字のア、南無大師遍照金剛
天台宗定めが柔軟で、仏・菩薩・明王・諸天のいずれも本尊となる向かって右に天台大師、左に伝教大師院号・道号・戒名・位号不明 ※
曹洞宗釈迦牟尼仏道元禅師(承陽大師)と瑩山禅師(常済大師)院号・道号・戒名・位号不明 ※
臨済宗釈迦牟尼仏が一般的。観世音菩薩や阿弥陀如来の場合もある達磨大師や各本山の開山院号・道号・戒名・位号不明 ※
日蓮宗大曼荼羅。日蓮聖人が文字で書き表した本尊向かって右に鬼子母神、左に大黒天法号。院号・道号・日号・位号の順で、日号には日の字が入る南無妙法蓮華経、妙法

※の不明は、宗派として決まった形が確認できなかったことを表しています。

表を見比べても、絞り込めるのはグループまでというところが多くなります。
阿弥陀如来と南無阿弥陀仏は浄土宗も浄土真宗も共通していますし、本願寺派と大谷派にいたっては表の上でほとんど見分けが付きません。

西(本願寺派)と東(大谷派)で仏壇や仏具がどう変わるのかは、こちらの記事にまとめてあります。

今さら聞けない浄土真宗の基本。西や東・本山での仏壇や仏具の違いと見極め方
自分の家の宗派が浄土真宗の方は、おそらくお仏壇・仏具を購入しようと仏壇店へ足を運んだ際に「お東ですか?お西ですか?」などと聞かれる機会がある …

早見表だけで宗派を決めない方が良い理由

布の上に、よく似た無地の掛け軸が2本並べて置かれている写真

表があると、どうしてもそこで結論を出したくなります。
ただ、見た目からの判断が効かない場面はいくつもあるので、先に押さえておきましょう。

脇侍の並びひとつを取っても、資料によって書かれ方が変わります。
新纂浄土宗大辞典は、浄土宗の脇侍に観音菩薩と勢至菩薩を挙げ、法然上人と善導大師はその両菩薩のさらに外側に祀るものとして説明しています。

手元の仏壇が早見表の並びと違っていても、それだけで違う宗派だと決める必要はありません。

同じ御本尊やお念仏を複数の宗派で用いている

阿弥陀如来を御本尊とするのは浄土宗と浄土真宗だけではありません。
天台宗も阿弥陀信仰が篤く、夕方の法要では阿弥陀仏の浄土への往生を願う作法が中心に据えられています。

釈迦牟尼仏を祀る宗派も一つではありません。
曹洞宗も臨済宗も御本尊としているため、仏像を見ただけでは禅宗の中のどちらなのかまでは分かりません。

天台宗については「朝題目に夕念仏」という言い方があります。
朝は法華経を読誦する法華懺法、夕は阿弥陀仏に向かう例時作法という組み立てで、南無妙法蓮華経も南無阿弥陀仏も出てくることになります。

家で唱えられていたお念仏やお題目を覚えていたとしても、それだけで宗派を決めるのは避けたほうが無難です。

宗派の公式サイト自身が「本尊はさまざま」と説明している

見た目で決めつけない方がよい理由は、宗派の側の説明にはっきり書かれています。

真言宗豊山派は、すべての仏さまは大日如来につながると考えるため「真言宗寺院のご本尊はさまざまです」と教えのページに記しています。

天台宗のQ&Aにも、本尊を柔軟に考えるとしたうえで「仏・菩薩・明王・諸天、すべてを本尊様と呼べるのです」という一文があります。

臨済宗と黄檗宗の公式サイトである臨黄ネットは、本尊は釈迦牟尼仏が一般的としながら、個々のご縁を大切にするところから「観世音菩薩や阿弥陀如来などをお祀りいただいても構いません」と添えています。

曹洞宗も、基本的にはお釈迦さまだけでよいと書いていますから、両脇に道元禅師と瑩山禅師が掛かっていない仏壇があってもおかしくありません。

宗派の側が幅を持たせて説明しているのですから、仏壇の中身だけで一つに絞り切れなくても当たり前のことです。早見表は、候補を狭めるための目安として使うくらいがちょうどよいところになります。

戒名や法名の文字も決め手にならないことがある

戒名や法名に使われる文字も、宗派を一つに決める材料としては弱いところがあります。

浄土宗の戒名に入る誉号は、五重相伝を受けた方に授けるのが本来の形とされてきました。

新纂浄土宗大辞典によれば、今では結縁五重という形でこれを受けた在家の信者にも授けられていますが、誰の戒名にも入るというものではありません。

日蓮宗では戒名を法号と呼びますが、そこに入る「日」の字も同じです。
日号は、法号を授かる方すべてに付くわけではありません。

そのため、日の字が見当たらないからといって日蓮宗ではない、とは言い切れないところがあります。

真宗大谷派は2024年12月27日に法名の取り扱いの変更を告知し、2025年1月1日から帰敬式などで法名を授かる際に釋と釋尼を本人の希望で選べるようになりました。

釋尼だから女性、という読み取り方は、これから先は当てはまらない場合が出てきます。参考)法名の取り扱いの変更について

逆の方向であれば言い切れます。
位号が付いていれば浄土真宗ではない、という消去法だけは、文字を見て使える数少ない判断材料になります。

仏壇や位牌の写真を見てもらうと分かるのか

結論から言えば、写真からでも宗派の見当は高い確率で付きます。
ただ、そこから絶対にこの宗派だと断定できるかというと、話は別になります。

仏壇や位牌の写真を撮って、仏壇店で見てもらうという方法もあります。
御本尊や脇侍、仏具の組み合わせ、位牌の書式まで写っていれば、判断の材料はかなりそろいます。

長く仏具や戒名を扱ってきた人間であれば、写真1枚から候補を絞り込み、多くの場合はそのまま言い当てられます。
見た目から読み取れる情報は、それだけ多いということです。

しかしながら、絶対にその宗派で間違いないかと言われると、そこまでの確証は持てません。同じ宗派でも地域や寺院によって祀り方に幅がありますし、代替わりの途中で組み合わせが変わっている仏壇もあります。

そのため、写真で分かるのは見当までという線は引いておいた方が安心です。
見当が付いた宗派を持って菩提寺に確かめれば、確認は一度で済みます。

宗派が決まる前でも進められること、決まってからにすること

空の飾り棚の前にメジャーと手帳が置かれ、盆の上に花立・火立・香炉の基本の仏具が並んでいる写真

宗派を調べている間、仏壇や位牌の準備をすべて止めておく必要はありません。
決めていける部分と、待った方がよい部分がはっきり分かれています。

進めること宗派が決まる前に決められるか理由
仏壇本体のサイズ・置き場所・予算決められる置き場所や大きさ、予算は宗派で変わるものではない
仏具(三具足・おりんなど)揃え方を決めれば宗派を問わず使えるもので揃えるなら先に選べる。宗派ごとの形に合わせるなら決まってから
御本尊・脇侍決まってから祀る対象が宗派ごとに違い、本山や菩提寺を通すよう案内している宗派もある
位牌を作るかどうか決まってから浄土真宗は本義として位牌を用いず、過去帳や法名軸を使う
位牌の文字入れ決まってから梵字や位号の扱いが宗派で変わる

今日から動かせるのは仏壇本体のところで、仏具は揃え方さえ決めれば先へ進めます。
御本尊と位牌の2つは、宗派が決まるまで待つことになります。

仏壇本体と、宗派を問わず使える仏具は先に決められる

仏壇の大きさと置き場所、予算は、宗派が分かっていなくても進められます。
置きたい場所の幅と高さ、奥行きを測っておけば、その時点で候補はかなり絞り込めます。

仏具の方は、どう揃えるかを先に決めておくと動かせます。
三具足やおりんには宗派を問わず使えるものがあり、そちらで揃えると決めたなら宗派が分かる前でも選べます。

一方、宗派ごとの形に合わせるなら話は変わってきます。
同じ三具足でも浄土真宗系では金色のものと黒いもので分かれますし、鶴亀をかたどった火立のように宗派の色が出る仏具もあるからです。

待っている時間を下調べに使えば、そのまま先の準備が進みます。
置き場所やサイズの測り方は、下記の記事が参考になります。

お仏壇を買う前にすべき事前準備や見落としがちな注意点
お仏壇を買おうと思っても、家具などとは違って、これまでに買った経験があるという方は少数派です。 そのため、実際に買おうと思っても、何を気をつ …

御本尊と位牌は宗派が決まってから

止まるのはここからです。
御本尊と脇侍、それに位牌をどうするかは、宗派が確定してからの工程になります。

慌てて先に用意してしまうと、後で作り直しになる可能性が出てきます。
位牌は戒名の差し替えが難しく、新しく作り直したうえで、古い位牌は閉眼供養をしてお焚き上げするのが一般的です。

浄土真宗は位牌を用いない

宗派が決まる前に位牌を発注できない、いちばん大きな理由がこれになります。
浄土真宗本願寺派は、位牌はもともと中国の儒家で用いられていたものであり、浄土真宗では用いないと、よくあるご質問の中で説明しています。
参考)浄土真宗本願寺派のよくあるご質問ページ

真宗大谷派も、お内仏(浄土真宗で仏壇を指す言い方です)の説明の中で位牌は用いないと明記しています。
文字の書き方が変わるという話ではなく、位牌を作るかどうかそのものが変わるわけです。

代わりに置かれるのが過去帳と法名軸になります。

ただ、これはあくまで本義としての話です。
今は浄土真宗の家でも位牌を用意する方が増えていて、お寺によっては受け入れているところもあります。

作るかどうかはお寺の考え方にもよりますから、宗派の見当が付いた時点で一度確かめておくと確実です。
このあたりの今の時代の流れは、次の記事で詳しく解説しています。

浄土真宗に位牌は必要ない?過去帳や法名軸と今の時代の流れについて
非常に多くのお客様から過去にお問い合わせいただいた中の1つに、浄土真宗の方の位牌は必要なのか必要でないのかというのがあります。 一般的には …

御本尊は仏壇店で自由に選べない宗派もある

浄土真宗本願寺派は御本尊とお脇掛を必ず本山の本願寺からいただくよう案内していますし、真宗大谷派でも御本尊は本山の真宗本廟から受けるものとされています。

日蓮宗が祀るようすすめているのも、宗派が推薦する御本尊か菩提寺の住職が書写した御本尊です。見た目の似たものを買ってきて済ませられる話ではない、というのが宗派の側の説明になります。

急がなくてよいところは急がない、という判断がここでは効いてきます。

四十九日までの時間をどう使うか

葬儀で使った白木位牌は四十九日法要まで用い、その法要で本位牌に替えるのが一般的な流れになります。

本位牌の文字入れにかかる日数は、頼む先によって幅があります。
2週間から3週間ほどみておく店もあれば、通販を中心に数日で仕上がるところも増えてきました。

日数のかかる方に合わせて四十九日から逆算しておけば、宗派を確かめる時間はおおよそ見えてきます。急ぎなら短い日数で作れる先を探すという手もありますから、日程だけを理由に焦る必要はありません。

とはいえ、日程がずれ込むこともあります。
菩提寺があればそちらに、無ければ位牌を頼む仏壇店に事情を伝えておけば、間に合わせ方の相談に乗ってもらえますから、一人で抱え込まなくて大丈夫です。

それでも宗派がわからない時にできること

季節の花が供えられた家庭用の仏壇の前で、そっと合わせた両手だけが写っている写真

ここまでの手を尽くしても分からない、ということはあります。
その場合でも供養が止まるわけではありませんし、後から宗派が分かった時には、手間はかかりますが位牌を作り直すなどの形で改めることもできます。

菩提寺が無い・実家と縁が薄い場合

菩提寺そのものが無い家も珍しくありません。
実家と行き来が無く、親族に尋ねること自体がためらわれるという場合もあります。

そういう時は実家の宗派を突き止めることにこだわらず、これから自分の家としてどう供養していくかを決める方に切り替えても構いません。

曹洞宗は、菩提寺が無い場合には公式サイトのお仏壇のまつり方のページを見るように案内しています。曹洞宗のように、お寺との付き合いが無い方向けの手引きを用意している宗派もあります。

家の宗派に見当が付いているなら、その宗派の公式サイトを一度見ておくと、仏壇や仏具の基本の祀り方までは分かります。
そこまで分かれば、位牌や仏具の話をする時にも判断がしやすくなります。

本家に合わせる、新しく決める、俗名で進める

どうしても分からないまま先へ進む場合にも、現実的なやり方は残っています。

本家の宗派に合わせるのが、いちばん角の立たない選び方になります。
親族の中で法事を営んできた家に合わせておけば、後々の付き合いでも足並みがそろいます。

これから新しくお付き合いするお寺を決める、という進め方もあります。
近くの寺院に相談して檀家になる形なら、開眼供養から法事まで一つの流れで頼めます。

戒名を授かっていない段階であれば、俗名のまま位牌を作るという方法もあります。
戒名が無い場合の位牌には、俗名の下に「之霊位」と入れるのが一般的です。

ただ、浄土真宗の可能性が残っているうちは、位牌ではなく過去帳という形も選べます。本家の宗派だけでも先に確かめておくと、後から作り直す手間を避けられます。

どれを選んでも間違いということはありません。
形が違っても、手を合わせる気持ちが第一という点は変わらないところです。

まとめ

調べる順番は、菩提寺、親族、仏壇の中、位牌や過去帳、お墓の墓誌という流れになります。上に行くほど確実で、下に行くほど手がかりを組み合わせる作業が増えます。

仏壇の大きさや置き場所、予算までは、宗派が決まる前から進めていけます。
仏具も、宗派を問わず使えるもので揃えると決めたなら先に選べます。

待つ必要があるのは御本尊と位牌のところなので、調べている間も準備は動かせます。

宗派が分からないからといって、供養そのものができなくなるわけではありません。
手元に仏壇や位牌があるなら明るいところでゆっくり見るところから、無いなら親族やお寺に一言尋ねるところから、できる範囲で始めてみましょう。

  • 公開日:2026.08.27
  • 更新日:2026.09.08

カテゴリ:宗派の解説

タグ: , ,

関連コンテンツ(一部広告含みます)