法事の日の仏壇の飾り方について。
一周忌・三回忌の準備とお布施の渡し方も解説します

一周忌や三回忌の日取りが決まり、僧侶に家まで来てもらうことになった時、まず考えるのが法事の日の仏壇の飾り方ではないでしょうか。

普段の飾りのままでよいのか、何を足せばよいのか、用意したお布施はどう渡せばよいのかと、準備を進めるほど具体的な疑問が出てきます。

とはいえ、法事の日の飾りには基本の形があり、それを仏壇の大きさや宗派に合わせて無理のない範囲で整えれば十分です。

ここでは普段の飾りとの違いや宗派で変わるところ、小さい仏壇での工夫、前日から当日までの段取り、お布施の渡し方までを順に見ていきたいと思います。

一周忌・三回忌の仏壇は、普段の飾りと何が変わる?

普段の三具足で整えた仏壇の前に、畳んだ打敷ともう1つずつの火立と花立、果物を盛った高坏がお盆に用意されている写真

法事の日の仏壇が普段と変わるところは、大きく分けて3つです。
三具足(みつぐそく)を五具足(ごぐそく)に増やし、仏具を載せる前卓(まえじょく)に打敷(うちしき)を掛け、お供えの品数を増やします。

項目普段の仏壇法事の日の仏壇
仏具三具足五具足
打敷掛けない前卓に掛ける
お供え仏飯などお菓子や果物を加える

浄土真宗以外の宗派では、これに霊供膳(りょうぐぜん)という小さなお膳を供えることが加わります。どれも今ある飾りに足していくものなので、普段の仏壇がそのまま土台になると考えておけば分かりやすいかもしれません。

浄土真宗本願寺派の公式サイトも、法事では三具足をできれば五具足にし、前卓に打敷を敷くよう案内しています。
法事の日は、普段よりひと手間かけて丁寧に整える日だと言えます。

一周忌は亡くなって満1年、三回忌は満2年の節目に営む法要です。
日取りは亡くなった月日と同じ祥月命日に営むのが正式とされますが、曹洞宗の公式サイトは、都合がつかなければ祥月命日より前の日に営むのがよいとしています。

四十九日の忌明けまでは後飾り祭壇がお参りの中心になり、忌明けのあとは仏壇の前で手を合わせるようになります。一周忌と三回忌は、その仏壇でのお参りが日々のことになってから迎える年忌法要です。

まだ四十九日を迎える前であれば、後飾り祭壇の飾り方や片付け方をまとめた記事のほうが、今の時期に合っているかもしれません。

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なお、一周忌と三回忌とで飾りの基本は変わりません。
ただし浄土真宗本願寺派では、七回忌になるとろうそくの色などが変わります。

法事の日の仏壇の飾り方

打敷を掛けた仏壇に五具足と一対の花、高坏に盛った果物を供え、横の小さな机に親族からのお供えを並べた写真

三具足を五具足にする

普段の三具足(香炉・火立・花立)は、香炉を中心に火立と花立を1つずつ添えた形です。法事の日はこれを五具足にして、火立と花立をそれぞれ一対にそろえ、香炉を真ん中に置きます。

香炉の左右に火立と花立が並ぶ形になるので、どちらを内側にするかを下の記事で確かめてから置いていきましょう。

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前卓に打敷を掛ける

打敷は、前卓の上に敷いて手前に垂らす飾りの布で、金襴などの華やかな生地が使われます。
お正月やお盆、お彼岸、年忌法要のような特別な日に掛けるものとされています。

打敷には宗派によって三角のものと四角のものがあり、形の違いや前卓への敷き方はこちらの記事が参考になります。

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年忌法要に掛ける打敷の色や柄に決まりがあるのか気になるところですが、真宗大谷派の公式サイトは紅・紫・金襴のいずれでもよいとしています。

花は左右一対にそろえる

五具足にすると花立が左右に1つずつになるので、花も2束用意し、左右で同じくらいの大きさにそろえて活けます。

花の色について、浄土真宗本願寺派の公式サイトは、三回忌までは供花や供物もなるべく赤い色を避けて飾るよう案内しています。
本願寺派では、赤い色を控えておけば白一色にそろえなくても差し支えないと言えます。

お供えはお菓子や果物を加え、横にも台を用意する

普段は仏飯と、浄土真宗以外の宗派であればお茶や水を供えているところに、法事の日はお菓子や果物を加えます。
お菓子や果物は、高坏という脚の付いた器に盛って供えます。

仏壇の中に置くのは、台や器に無理なく載る量までにしておきましょう。
浄土真宗のお寺でも、仏壇の中のお供えは山盛りにせず、載る量にとどめるよう案内しています。

親族や参列者が持ってきてくれたお供えは、仏壇の横にお盆や小さな机を置き、そこへ並べておくと収まりがよくなります。
浄土真宗の複数のお寺が、法事の準備として同じように案内している置き方です。

お餅は、浄土真宗では法事の日の基本のお供えの1つとされていて、ほかの宗派でも一周忌や三回忌にお餅を供える家があります。
お餅を供える場合の形や数、飾る時の注意点については、別の記事で詳しく取り上げています。

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霊供膳は浄土真宗以外の宗派で供える

霊供膳は、小さな器に一汁三菜の精進料理を盛りつけて仏前に供える、1人分のお膳です。浄土真宗以外の宗派では、年忌法要のほかにお盆やお彼岸などでも供えられます。

献立の決め方やお椀の並べ方を知りたい時は、器の選び方から供え方までを扱った記事を開いてみてください。

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お膳を供えるのは法要が始まる前が目安で、ご飯やお汁が温かいうちに仏壇へ上げます。
湯気が落ち着いたら下げてよいとされ、下げたお膳は家族でいただいて構いません。

浄土真宗とそれ以外の宗派で変わるところ

お盆の上に、白いろうそくと朱色のろうそくが左右に分けて並べられている写真

打敷を掛けることと、できれば五具足にすることは、多くの宗派に共通する法事の飾りと言えます。

しかしながら、浄土真宗では法事の日の飾りにいくつか違いがあり、霊供膳を用いないこと、お茶や水を供えなくてよいとされること、位牌の代わりに過去帳を用いることが主なところです。

項目浄土真宗浄土真宗以外
霊供膳用いない法要の前に供える
お茶や水供えなくてよいとされる茶湯器などで供える
故人を記したもの過去帳の該当ページを開く位牌
打敷の形三角が多い四角が多い
ろうそくの色本願寺派は三回忌まで白、七回忌から朱色。大谷派は朱色宗派やお寺で変わる。菩提寺の案内に従う

違いの多くは、法事をどう受け止めるかという考え方から来ています。
ここに挙げたのは一般的な形で、同じ宗派でも地域やお寺によって細かなところは変わってきます。

迷った時は、家として日ごろからお付き合いのあるお寺、菩提寺に相談してみましょう。曹洞宗の公式サイトも、地方ごとの慣習は菩提寺によく伺っておくのがよいとしています。

浄土真宗では霊供膳を用いず、過去帳を開いておく

浄土真宗では、法事は亡き人のために供養を重ねる場というより、亡き人をご縁として仏さまの教えにふれる場とされています。

亡き人はすでに浄土に生まれて仏となっていると受け止めるので、故人のためにお膳を整えることはせず、霊供膳も用いません。

お供えは、先ほどのお菓子や果物、お餅を、供笥(くげ)という専用の台か高坏に載せて供えます。

位牌の代わりに用いる過去帳は、法事をつとめる故人の法名が書かれたページを開き、仏壇の中央にお祀りしている御本尊を隠さない位置に置いておきます。

本来は位牌を用いないのが浄土真宗の考え方ですが、今は位牌を用意している家もあり、菩提寺によっては受け入れているところもあります。

ろうそくの色は本願寺派と大谷派で違う

同じ浄土真宗でも、法事の日のろうそくの色は派によって違います。

浄土真宗本願寺派の公式サイトでは「三回忌までが白色、七回忌以降は朱色」とされていて、一周忌と三回忌は白いろうそくになります。
参考)浄土真宗本願寺派(西本願寺)よくあるご質問「法事のおかざりは?」

真宗大谷派の公式サイトは、法事には朱色のろうそくを用いると案内しています。
参考)真宗大谷派(東本願寺)葬儀・法事・お墓のこと

大谷派のお寺の案内でも年忌法要は朱色とされていて、一周忌や三回忌でも朱色を使う点が本願寺派との違いになります。
ほかの派のお寺でも案内はさまざまで、真宗興正派のあるお寺は朱色を正式としながら、白で代用してもよいと説明しています。

小さい仏壇やモダン仏壇で、五具足や霊供膳が入らないときは

小さな上置き仏壇を三具足のまま整え、入りきらない霊供膳と果物を横に置いた台に供えている写真

仏壇が小さいと、五具足も霊供膳も中に収まりきらないことがあります。
そういう時は、すべてを仏壇の中に収めようとしなくて大丈夫です。

五具足は三具足のままにし、入らないお膳やお供えは仏壇の前や横に台を置いて並べる形でも差し支えないとされています。

五具足が並ばなければ三具足のままでよい

今は上置きタイプやモダン仏壇のように小ぶりな仏壇を選ぶ家が増えていて、法事の日も普段の三具足で済ませるのは珍しいことではありません。
こうした仏壇では、五具足を置くだけの幅や奥行きが足りないことも少なくないからです。

無理に五具足を詰め込んで御本尊が隠れてしまうより、三具足のまま整えたほうが落ち着いた形になります。

三具足のままでも、お供えを増やしておけば、法事の日らしい飾りとして十分と言えます。

霊供膳とお供えは、仏壇の前や横に台を置いて並べる

霊供膳が仏壇の中に置けない時は、仏壇の手前や脇に台を置き、その上に供えればよいとされています。
器の数を減らした略式の霊供膳もあります。

仏壇に入りきらないお供えも、参列者が持ってきたお供えと同じように、横に置いたお盆や小さな机にまとめて構いません。

ただ、仏壇の前に置く経机は、当日に僧侶が経本を広げて読む机になるので、上を空けておきましょう。お供えの台は経机とは別に用意する、というのが置き場所に迷った時の目安になります。

法事の前日から当日、僧侶を迎えるまでの準備

打敷と五具足で整えた仏壇の前に、上を空けた経机と僧侶用の座布団、参列者の座布団、焼香用の香炉と香盒を載せたお盆が用意された和室の写真

準備は、前日までに済ませることと当日の朝に整えることを分けて考えておくと、慌てずに進められます。

前日までに済ませておくこと

前日までにしておきたいのが、仏壇とその周りの掃除です。
仏壇は柔らかい布で乾拭きするのを基本にし、金仏壇であれば金箔の部分には触れないようにしましょう。

仏壇のある部屋も、僧侶や親族が座れるように片付けておきます。
あわせて、当日に使うものがそろっているかも確かめておきましょう。

  • ろうそく
  • 線香
  • 焼香用の抹香と焼香炭
  • 打敷
  • 霊供膳の器と材料

ろうそくは、法事で使う色のものが手元にあるかを見ておくと安心です。
霊供膳の器と材料は、浄土真宗以外の家で必要になります。

花とお供えの手配も、この時点で済ませておきましょう。
当日に焼香をするかどうか、その道具をこちらで用意するのかは、法事の日取りを相談する時にあわせて菩提寺へ聞いておけば迷いません。

当日の朝から僧侶が来るまでに整えること

当日の朝は仏壇の扉を開け、前卓の仏具をいったん下ろして打敷を掛けてから、五具足に並べ直します。
花は、この形が整ってから活けましょう。

続いて仏飯とお茶や水を供え、お菓子や果物のお供えを並べていきます。
浄土真宗の家では、お茶や水は省いて構いません。

浄土真宗以外の家では、霊供膳を法要が始まる前に供えられるよう、支度を進めておきましょう。

焼香をする法事では、焼香用の香炉と、抹香を入れた香盒(こうごう)、火種にする焼香炭を用意します。参列者が座ったまま順に焼香する回し焼香なら、香炉と香盒をお盆に載せておき、端から回していきます。

焼香炭は、いざ焼香という時にまだ火が付いていないことがあるため、法要が始まる15分ほど前には火を入れておくよう案内しているお寺もあります。

炭を入れた香炉はかなり熱くなるので、お盆で回す時や片付ける時にやけどをしないよう気をつけてください。

僧侶の席とお茶の用意

経机の上は、僧侶が経本を広げやすいようにすっきりさせておきます。
経机の前には、僧侶が座るための座布団を1枚用意しておきましょう。

参列者の席は、仏壇に向かって右から故人と縁の深い順に並ぶのが目安とされますが、日蓮宗のお寺の副住職は、必ずしもこの並び方でなければいけないわけではないと説明しています。

お茶やお菓子については、何か出さないと失礼になるのではと気を遣うところかもしれません。
実は、そこまで気負わなくても大丈夫です。

岡山県の朝日寺の住職は、お茶菓子について「何も出て来なくても気にしません」と書いていて、「一番ありがたいと思うのは必要なものを尋ねて下さる方」とも述べています。

何を用意すればよいか迷ったら、来てもらう僧侶に直接聞いてしまうのが一番確かと言えます。

同じ住職によれば、読経の前は咳き込まないようにお菓子を口にしない僧侶も多く、個包装のものなら持ち帰りやすいそうです。

お布施の渡し方と御膳料・御車代

座卓の上で、濃い灰色の袱紗を両手で開き、中の白い封筒を取り出そうとしている様子と、脇に置かれた黒塗りの切手盆の写真

法事の日に僧侶へ渡すものには、お布施のほかに、場合によって御膳料や御車代があります。

切手盆か袱紗に載せ、僧侶から読める向きで渡す

お布施は、切手盆か袱紗(ふくさ)に載せ、僧侶から表書きが読める向きにして手渡すのが基本です。

浄土真宗本願寺派のお寺の住職も、お布施は「受け手の僧侶側に向けて渡します。金封をお盆などにのせ、お渡しされると丁寧でしょう」と説明しています。

仏前に供える形をとる場合は向きが逆になり、こちらから表書きが読める向きで置きます。

切手盆は、お布施などの金封を載せて差し出すための小さなお盆です。
切手盆が無ければ、お布施を包んでおいた袱紗を畳んで台にし、その上に載せて差し出す形でも丁寧な渡し方とされます。

表書きは「御布施」とし、浄土真宗本願寺派の公式サイトも、「御礼」や「御経料」は趣旨に合わないとしています。

渡すタイミングの目安は、法要の前に挨拶をする時か、法要を終えて僧侶が帰る時のどちらかです。

御膳料・御車代も用意しておく

お布施とは別に御車代を用意するのは、僧侶に自宅まで来てもらう法事の場合で、お寺で営むなら要らないと言われています。

法要のあとの会食に僧侶が加わらない時は、食事の代わりとして御膳料を包むものとされます。

御膳料や御車代はそれぞれ別の封筒に入れ、重ねて渡す時は御布施の封筒を一番上にする、というのが一般的なやり方と言われます。

一周忌に合わせて仏壇を購入したり本位牌を用意したりして、同じ日に開眼供養(浄土真宗では入仏式など)もお願いする場合は、法要とは別に開眼供養のお布施を包んで渡すほうが丁寧とされています。

仏壇の開眼供養を解説した次の記事は、法要と同じ日に営む時の順番やお布施の分け方まで扱っているので、当日の段取りを決める手がかりになります。

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金額は目安として考える

浄土宗と真宗大谷派の公式サイトはどちらも、お布施は読経への対価ではないと説明しています。金額にも決まりはなく、迷ったら地域の慣例やお寺に相談してよい、というのが真宗大谷派の案内です。

包みどんな時に金額の目安
御布施法要の読経をお願いした時一周忌で3万円〜5万円、三回忌で1万円〜5万円
御膳料僧侶が会食に加わらない時5千円〜1万円
御車代自宅まで来てもらった時近ければ3千円〜5千円、少し離れていれば5千円〜1万円

三回忌以降は金額が少なくなる傾向にあるとする資料が多い一方で、一周忌と同じ額とする資料もあります。
表の金額は地域やお寺によって変わるので、あくまで目安として考えておきましょう。

三回忌のあと、七回忌からの法事で変わること

秋の朝、打敷と三具足で整えた上置き仏壇の前に、年配の女性と男性が並んで座り、頭を下げている後ろ姿の写真

七回忌からの法事も、五具足にして打敷を掛け、お供えを増やすという飾りの基本はそのままです。
浄土真宗本願寺派で変わるところとしては、ろうそくが白から朱色になることと、三回忌までとされていた赤い色を避ける目安が外れることが挙げられます。

年忌法要は七回忌、十三回忌と続きます。
浄土宗の公式サイトは、日本では古くから三十三回忌か五十回忌が済むと亡くなった方はご先祖様になると信じられてきた、と紹介しています。

この頃を区切りに、年忌法要を締めくくる弔い上げを営むことが多いようです。

年忌の数え方は宗派や地域で少しずつ違い、真宗大谷派の公式サイトも地域によって違う場合があると断っています。

まとめ

法事の日の仏壇は、普段の飾りを土台に五具足と打敷、増やしたお供えを加えれば基本の形が整います。
浄土真宗であれば霊供膳は用いず、過去帳を開いておきます。

仏壇が小さい時は三具足のまま整え、中に収まらないお膳やお供えは横に置いた台に並べてもよいとされています。

お布施は切手盆か袱紗に載せ、僧侶から表書きが読める向きで手渡しましょう。
できるところから少しずつ整えて、故人を偲ぶ一日を落ち着いて迎えてまいりましょう。

  • 公開日:2026.09.26

カテゴリ:仏事などの解説

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