位牌の書き方についてを解説!
表と裏に入れる文字と享年・行年の違いなど

  • 2026.10.13

位牌

和室の後飾りの台の上段に白木位牌と黒塗りの位牌が正面向きに並び、下段に白い菊の花立・香炉・ろうそくが置かれ、手前に急須と湯呑の盆が見える写真

四十九日に向けて本位牌を用意するとき、位牌の書き方で気になるのは表と裏にどの文字を入れるかと、享年・行年(ぎょうねん)といった年齢の書き方です。

名入れを頼むと、どの文字を表に入れてどれを裏に回すかを、お店が用意している書き方の型から選ぶことになります。

手元の白木位牌の年齢の欄に行年や享年とあって、2つの言葉の違いを調べている方もいるかもしれません。
長くお祀りしていく位牌ですから、入れる字は1つずつ確かめておきたいものです。

結論を先に述べておくと、表と裏の分け方に決まりは無く、型の多くは同じ文字を表と裏にどう振り分けるかの違いと言えます。

享年と行年も辞書では同じ意味の言葉で、数え年にするか満年齢にするかは、言葉とは別に決めることになります。

ここでは表と裏に入れる文字と記入例から、白木位牌から写すときに迷いやすい字、年齢の書き方と決め方までを見ていきたいと思います。

位牌の書き方の基本|何を入れ、表と裏にどう分けるか

仏具店の相談用のテーブルに並んで座る母と娘の後ろ姿と、2人の前のテーブルに敷いた布の上に立てて置かれた白木位牌の写真

位牌に入れる文字はおおよそ決まっていて、家ごとに違ってくるのは、それを表と裏にどう分けるかのほうです。

位牌に入れるのは戒名・俗名・没年月日・年齢

浄土宗の公式の辞典(新纂浄土宗大辞典)を引くと、位牌は戒名・命日・俗名・行年を記す木の札と台座からなるもの、とあります。

命日は没年月日、俗名は生前の名前のことで、年齢の欄はこの辞典では行年という言葉で書かれています。

札の中央に入る戒名は、仏の弟子としてお寺から授かる名前です。
○○院や居士など、戒名に含まれる字にどんな意味があるかは、こちらの記事で詳しく解説しています。

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戒名の呼び名は宗派で変わり、浄土真宗では法名、日蓮宗では法号と呼ばれます。
浄土真宗の法名は釋の字で始まる形で、真宗大谷派では男性は「釋○○」、女性は「釋尼○○」を基本としています。

浄土真宗本願寺派の公式サイトにもあるとおり、浄土真宗はもともと位牌を用いない宗派です。ただ現在は浄土真宗の家でも位牌を作ることが増えてきており、お寺によってはそれを受け入れています。

浄土真宗の家で、そもそも位牌を作るかどうかから考えたいときは、下記の記事が参考になります。

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表と裏のどちらに何を入れるかは、お店の書き方の型から選ぶ

表と裏のどちらに何を入れるかには、とくに決まりがありません。
お店が用意している型の中から家族が1つを選び、お店はその型のとおりに名入れします。

型はお店によって少しずつ違いますが、おおよそ次のような分け方があります。

型表に入れる文字裏に入れる文字
戒名と没年月日を表に入れる型戒名、没年月日俗名、年齢
戒名だけを表に入れる型戒名没年月日、俗名、年齢
俗名と没年月日を表に入れる型俗名、没年月日年齢
俗名だけを表に入れる型俗名没年月日、年齢
先祖代々の型○○家先祖代々何も入れないことが多い
夫婦連名の型2人分の戒名、型によって没年月日2人分の俗名と年齢、型によって没年月日

見比べると、表に入れなかった文字が裏に回る形になっているのが分かります。
先祖代々と夫婦連名の書き方は、後の章で詳しく解説します。

白木位牌と同じ並びにしたいなら、白木位牌の表と裏を見て、それに合う型を選べば済みます。仏壇にご先祖様の位牌があれば、その並びに合わせておくと仏壇の中で位牌どうしの見た目が揃う、という考え方もあります。

戒名が長い、位牌が小さいといった場合も、名入れでは文字の大きさと配置を整えて小さめの字で入れることが多く、入りきらないことはまずありません。

どの型にしても決まりに背くことはないので、家族が見て納得できる並びにすれば十分です。

位牌の表と裏の書き方|文字の並びと記入例

仏具店のカウンターで、店の人が黒塗りの位牌の台座に両手を添えて、正面向きにして見せている写真

位牌の表は戒名が中心、没年月日を入れる型では両脇に

位牌の表では、中央に戒名が入ります。
没年月日を表に入れる型の場合は、戒名の向かって右に年、左に月日と分けて入れる書き方があります。

戒名を授からなかった場合に向けて、中央に俗名を入れる型も用意されています。
その場合は「佐藤和夫之霊位」のように、名前の下に之霊位を添える書き方も見られます。

戒名の上には、梵字と呼ばれるインドの古い文字や、置き字と呼ばれる字が添えられていることもあります。
白木位牌にこうした字があったときの扱いは、次の章で詳しく解説します。

位牌の裏には俗名と年齢、型によって没年月日も入る

位牌の裏には、俗名と年齢を入れます。
没年月日を表に入れない型を選んだときは、没年月日も裏に回ります。

裏の並び方は、浄土宗の辞典が白木位牌の書き方として挙げている例を見るとつかみやすくなります。右に年月日と没の字、中央に俗名、左下に行年と年齢を書くという並びです。
参考)新纂浄土宗大辞典「葬具書式」

これは白木位牌のための書き方ですが、本位牌の裏も同じ並びで入れる形があります。俗名は辞典の例のように、名前の上に俗名という2字を付けて入れます。

没年月日は令和などの元号で書き、数字は縦書きに合わせて漢数字にするのが目安です。

俗名を表に入れる型であれば、裏には年齢と、型によって没年月日が入ります。

記入例|没年月日を表に入れる型と裏に回す型

架空の方を例に、2つの型で名入れするとどうなるかを並べてみます。
俗名は佐藤和夫、戒名は清風院和光正道居士とし、昭和20年5月20日に生まれて令和7年11月3日に亡くなった方としました。

例Aは、没年月日を表に入れる型です。

面右中央左
表令和七年清風院和光正道居士十一月三日
裏-俗名 佐藤和夫行年八十一歳

例Bは戒名だけを表に入れて、没年月日を裏に回す型にしています。

面右中央左
表-清風院和光正道居士-
裏令和七年十一月三日没俗名 佐藤和夫行年八十一歳

例Bの並びは、浄土宗の辞典が挙げる白木位牌の書き方と同じになります。
没の字も、例Bのように年月日のあとに付ける書き方と、例Aのように付けない書き方の両方があります。

年齢はどちらも行年とし、数え年で入れた形にしました。
年齢の書き方は、享年と行年を扱う章で詳しく解説します。

白木位牌の文字を本位牌に写すときに迷いやすい字

座卓の上で白木位牌を無地の風呂敷で包み、結び目を結んでいる手元と、そばに置かれた二つ折りの白い紙の写真

葬儀社が用意した白木位牌の字は、多くの場合、本位牌の名入れの原稿になります。
ただ、白木位牌の字の中には、本位牌にもそのまま入れるかを考えたいものも混ざっています。

新円寂や新帰元の「新」は、亡くなって間もない時期を表す字

白木位牌の戒名の上に、新帰元や新円寂と書かれていることがあります。
新帰元も新円寂も、先ほど触れた置き字にあたります。

浄土宗の辞典は、亡くなって間もない方を表す置き字として新帰元を戒名の上に記すことは、各宗で広く行われていると説明しています。

同じ辞典の円寂の項目には、新円寂の新の字は中陰と呼ばれる四十九日までの間に限るという一文もあります。
ただ、これはお勤めで唱える文句に出てくる新円寂の語について、古い書物の説明を紹介したくだりです。

本位牌は四十九日の法要を境に仏壇へ祀っていくものなので、白木位牌に新の付く字があると、本位牌にも入れてよいのか迷うかもしれません。

梵字や霊位、年月日のあとの没・寂はどうする?

宗派によっては、戒名の上に梵字を添える場合があります。
浄土宗の辞典にも、葬儀の際にキリクという梵字を置き字として位牌に書き入れることがあると書かれています。

このほか、戒名の下の霊位や、没年月日のあとに付ける没・寂の字も、白木位牌に書かれていることがある字です。

白木位牌にこうした字や新の付く置き字があると、名入れを頼むときに、本位牌にもそのまま入れるかをお店から聞かれることがあります。
とはいえ、聞かれてもすぐには分からないという方がほとんどです。

そのときは、お付き合いのある菩提寺に確かめてから決める方法もあれば、白木位牌に書いてあるとおりに入れる方法もあります。

こうした字のうち梵字と没の字は、入っている位牌をよく見かけるもので、この2つを入れて作る位牌も少なくありません。

位牌の享年と行年の違いと、年齢の書き方

和室で座布団に正座した年配の女性が、黒塗りの位牌を手に取って見つめているところを、肩越しに後ろから写した写真

享年と行年は、辞書の上では同じ意味の言葉です。
同じ方の年齢でも数字が1つか2つ変わることがあるのは、言葉ではなく、数え年か満年齢かという数え方の違いから来ています。

年齢の欄で決めることは、享年か行年かという言葉、数え年か満年齢かという数え方、歳か才か付けないかという字の3つになります。

享年と行年は、辞書ではどちらも同じ意味の言葉

国語辞典と宗教用語の辞典で享年と行年を引くと、次のように書かれています。

辞書見出し書かれていること
デジタル大辞泉享年人のこの世に生存していた年数。死んだときの年齢
デジタル大辞泉行年行は経る意。享年に同じ
精選版日本国語大辞典享年この世に生存した年数。寿齢。年齢。よわい。行年
須藤隆仙『世界宗教用語大事典』享年・行年位牌や過去帳に死亡者の年齢を記すとき書く。享は天から享けた年の意。行は経るの意で、共に生存した年数のこと

どの辞書も、亡くなった方がこの世で過ごした年数を表す言葉として載せていて、数え年か満年齢かは定義の中に書かれていません。
参考)コトバンク「享年(キョウネン)とは? 意味や使い方」

なお、同じ字でもこうねんと読むと、これまで生きてきた年数という別の意味の言葉になるため、位牌の行年はぎょうねんと読みます。

享年・行年と、数え年・満年齢は別々に決まる

位牌の名入れについて調べると、「享年は数え年、行年は満年齢」と分けて説明しているページに行き当たることがあります。

しかしながら、先ほどの辞書の定義にこの区別は書かれておらず、ここで挙げる宗派やお寺の書き方を見ても、言葉によって数え方が決まっているとは言えません。

浄土宗の辞典が位牌と白木位牌の書き方に使っているのは行年という言葉で、数え方の指定はありません。

曹洞宗の公式サイトにある計算ページも、亡くなったときの年齢を数え年と満年齢の両方で出す作りで、どちらを使うかまでは示していません。

お寺の中には、行年でも享年でもどちらでも問題は無いとしたうえで、行年を数え年で書くよう勧めているところもあります。

享年と行年のどちらを使うかと、数え年と満年齢のどちらで数えるかは、それぞれ別々に決まるものと言えます。

満年齢で数えるよう勧める法律が施行されたのは、1950年(昭和25年)のことです。それまでは年齢を数え年で言い表すのが習わしだったため、以前からあるご先祖様の位牌には数え年で年齢が入っていることもあります。

数え年と満年齢の計算|誕生日の前か後かで1歳か2歳違う

デジタル大辞泉は、数え年を「生まれた年を1歳とし、あと新年を迎えるごとに1歳ずつ加えた年齢」と定義しています。この定義に沿えば、数え年は亡くなった年から生まれた年を引き、1を足すと出せます。

ふだん使っている満年齢も、亡くなった年から生まれた年を引くところまでは同じです。そのうえで、その年の誕生日を迎える前に亡くなっていれば、さらに1を引きます。

数え年の計算に誕生日は関わらないため、満年齢との差は亡くなった時期で変わってきます。
記入例の方で、亡くなった日を2通りにして比べると次のようになります。

生年月日亡くなった日満年齢数え年
昭和20年(1945年)5月20日令和7年(2025年)11月3日80歳81歳
昭和20年(1945年)5月20日令和8年(2026年)1月10日80歳82歳

その年の誕生日を過ぎてから亡くなった1行目は差が1歳、年が明けて誕生日を迎える前に亡くなった2行目は差が2歳です。

計算に自信が無いときは、先ほどの曹洞宗の計算ページに亡くなった日と生年月日を入れれば、2つの数え方を一度に確かめられます。
参考)曹洞宗「忌日表(中陰表)・年回表」

年齢の字は歳と才のどちら?付けない書き方も

年齢のあとに付ける字には歳と才があり、何も付けない書き方もあります。
デジタル大辞泉は享年の項目で、享年八十歳と書くと年と歳の字が重なるので享年八十でよいとしつつ、享年四十歳のような書き方も古くからあると補足しています。

才の字も、年齢を数える歳の代わりとして辞書に載っている字です。
浄土宗の辞典が挙げる白木位牌の書き方では、行年○歳と歳の字を付けています。

享年か行年か、数え年か満年齢かの決め方

年齢の書き方を決めるとき、まず見ておきたいのが手元の白木位牌の年齢の欄です。
そこに書かれた言葉と数字、歳や才といった字は、本位牌の名入れでもそのまま写されることが多くあります。

どちらの数え方で書かれているかは、先ほどの計算で確かめることができます。
先ほど触れた、行年を数え年で書くよう勧めているお寺も、仏壇にご先祖様の位牌があるなら、まずはその書き方に揃えるのがよいとしています。

白木位牌とご先祖様の位牌で書き方が違って迷うときは、菩提寺にたずねてみるのも1つの方法です。

令和7年11月3日に亡くなった記入例の方に当てはめて、組み合わせごとの書き方を表にまとめました。

言葉数え方字書き方
行年満年齢歳行年八十歳
行年数え年歳行年八十一歳
享年数え年付けない享年八十一
享年満年齢才享年八十才

横にスワイプできます

どの組み合わせも辞書や宗派・お寺の説明に照らして成り立つ書き方なので、家族で決めたものを名入れしてもらえば大丈夫です。

亡くなった方の戒名や没年月日を書き継いでいく過去帳にも、年齢を書き入れます。
過去帳に書くときの並べ方や記入例は、次の記事で見ることができます。

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先祖代々と夫婦連名の位牌の書き方

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先祖代々の位牌は、表に家の名を入れる

先祖代々の位牌も、作りそのものは1人分の位牌と同じです。
名入れのときに戒名の代わりに家の名を入れるもので、表は「佐藤家先祖代々之霊位」のように入れる書き方があります。

裏には、何も入れないことが多いようです。

ご先祖様の札を何枚も重ねて納める回出位牌(くりだしいはい)を使っている家なら、新しく加える札にも、ここまでの表と裏の型をそのまま当てはめて名入れできます。

回出位牌の札の書き方の基本は、下の記事にまとめてあります。

回出位牌の種類と価格の目安|繰り出し位牌の選び方とまとめ方
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夫婦連名の位牌と、どちらかが存命のとき

1つの位牌に夫婦2人分の戒名を並べて入れる、夫婦連名の位牌もあります。
並べ方は、向かって右に夫、左に妻と入れる配置が目安です。

日本大百科全書は、夫婦の戒名を併記した位牌について、どちらかがご存命ならその方の分は朱色の字にしておくと説明しています。
ご存命の方の没年月日と年齢は、まだ入りません。

1人分で名入れした位牌をのちに夫婦連名にできるかどうかや、もう一方が亡くなったときに文字を足す流れは、下記の記事で詳しく解説しています。

位牌の持ち込みで名入れや、名入れ後に夫婦連名位牌にする事はできるか
位牌を用意する場合、選び方はそれぞれです。 葬儀社のプランやパッケージで選ぶ方もいれば、お寺から購入される方、通販や仏具店で自分で選ぶケース …

2人分の文字を入れるため、夫婦連名にするときは大きめのサイズの位牌を選ぶことが多くなります。

名入れを頼む前に決めておくこと

和室で座布団に並んで座り話す母と娘の後ろ姿と、奥の白い布を掛けた後飾りの台に置かれた白木位牌・花・香炉・ろうそくの写真

名入れの内容は、注文のときにどの書き方にするかを選んで伝えるのが一般的なようです。とくにネットで注文する場合は、行き違いを防ぐためにも、書き方を選んだうえで注文することになります。

お店へ行く前や注文する前に、次のことを家族で話しておくと、その場で迷わずに済みます。

  • どの型にするか
  • 戒名・俗名・没年月日の字
  • 年齢の言葉・数え方・字
  • 白木位牌にあった梵字や置き字を入れるか
  • 夫婦連名にするか

戒名には旧字が使われていることもあるので、白木位牌そのものか、その写真、お坊さんに書いてもらった紙を用意しておきましょう。
字の形まで見せて伝えられるため、思っていた字と違ったということが起きにくくなります。

まとめ

位牌の表と裏はお店の型から選べばよく、迷ったときは手元の白木位牌やご先祖様の位牌の並びが手がかりになります。

年齢の欄も言葉と数え方、字を分けて考えると整理しやすく、どの組み合わせを選んでも差し支えはありません。

大切な方の名前を入れる位牌だからこそ、四十九日に向けて家族で話し合いながら、落ち着いて名入れを頼んでくださいね。

  • 公開日:2026.10.13

カテゴリ:位牌

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